申告するには?
このように、これまでは1年間(1月1日~12月31日)に自己負担した医療費の合計が10万円を超えなければ※活用できなかった医療費控除ですが、この「セルフメディケーション税制」の施行により、定期健康診断、予防接種などを受けている人で、対象となる市販薬を家族の購入分を含めて年間12,000円を超えて購入した人は、確定申告することで所得控除が受けられるようになります。忘れずに確定申告しましょう!
そのために、ドラッグストアや薬局等にて市販薬を購入した際に受け取ったレシートや領収書は必ず捨てずに保管しておきましょう。 (従来の医療費控除制度を選択した場合には、治療のために購入した市販薬の購入代金を医療費の中に含めることができます。)
※ただし、年収200万円未満では所得の5%以上で控除。
健診等(「一定の取組」)の証明について
「セルフメディケーション税制」は、きちんと健康診断などを受けている人が所得控除を受けられるようになる制度です。実際に「健康の保持増進及び疾病の予防」に取り組んでいることを証明する必要があります。そのため、確定申告時には健診の結果などを添付又は提示は不要ですが、明細書の記入内容の確認のため税務署から求められる場合がありますので、確定申告期限等から5年間、ご自宅等で保管する必要があります。
各取組と確定申告時に必要な書類記載例
所得控除を受けるための「健康の保持増進及び疾病の予防への主な取組」は以下に示したものになります。それぞれ「領収書」や「結果通知表」などの証明書類を確定申告期限等から5年間、ご自宅等で保管してください。該当する健診などの詳細は、「平成 28 年厚生労働省告示第 181 号」に記載されています。
提出書類には次の①~③の記載が必要です。
- 氏名
- 取組を行った年(確定申告の対象となる年と同一の年に受診したものであること)
- 事業を行った保険者、事業者もしくは市町村(特別区を含む)の名称または診察を行った医療機関の名称、もしくは医師の氏名。
「領収書」又は「結果通知表」に事業者等の名称が記載されていない場合は、勤務先か保険者に定期健康診断である証明をしてもらわなければなりません。そのための「証明依頼書」フォームは、厚生労働省のWebサイトに用意されていますので、そちらをご利用ください。
1. 特定健康診査(メタボ健診)または特定保健指導
医療保険各法(健康保険法、船員保険法、国民健康保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法及び私立学校教職員共済法など)や、健康増進法の規定に基づいて、健康の保持増進のために必要な事業として行われる健康診査、いわゆる「メタボ健診」を受けた場合です。
この場合は、検査費を支払った際の領収書か結果通知表を保管することになりますが、領収書または結果通知表に「特定健康診査」か、保険者(健康保険組合など)名の記載がされている必要があります。
上記の記載がない場合は、厚生労働省のWebサイトに掲載の「証明依頼書」を使用し、保険者に特定健康診査である証明をもらってください。
【必要書類】(以下A、Bのいずれか)
「特定健康診査」または保険者名の記載がある場合
- A.結果通知表(コピー可)
「定期健康診断」または勤務先名・保険者名の記載がない場合
- B.証明依頼書
2. 予防接種(定期接種、インフルエンザの予防接種)
予防接種法に基づき行われる予防接種や、インフルエンザの予防接種などを受けた場合です。
「予防接種法に基づき行われる予防接種」には、幼児の予防接種や高齢者の肺炎球菌感染症の定期接種なども含まれますが、必要なのは「確定申告する人」についての証明になりますので、実際には多くがインフルエンザの予防接種になると思われます。
この場合は、接種を受けた際の領収書や予防接種済証を保管します。
【必要書類】(以下A、Bのいずれか)
- A.領収書(原本)
- B.予防接種済証(原本)
3. 勤務先で実施する定期健康診断(事業主検診)
雇用する労働者に対して、事業主の責任の下に年1回以上の実施が義務付けられている健康診断です。会社勤めの方はほとんどがこちらを使用できます。
確定申告の際はその結果通知表を保管するのですが、結果通知表には「定期健康診断」か、勤務先名または保険者(健康保険組合など)名の記載がされている必要があります。
上記の記載がない場合は、厚生労働省のWebサイトに掲載の「証明依頼書」を使用し、勤務先か保険者に定期健康診断である証明をもらってください。
【必要書類】(以下A、Bのいずれか)
「定期健康診断」または勤務先名の記載がある場合
- A.結果通知表(コピー可)
「定期健康診断」または勤務先名・保険者名の記載がない場合
- B.証明依頼書
4. 保険者(健康保険組合、市区町村国保等)が実施する健康診査(人間ドック、各種健(検)診等)
健康増進法などの規定に基づいて行われる健康診査で、人間ドックなどの健康診査(※)がこれにあたります。
この場合も領収書か結果通知表を保管しますが、勤務先名または保険者(健康保険組合など)名が記載されていない場合は、3同様に勤務先または保険者に定期健康診断である証明をしてもらう必要があります。
そのための「証明依頼書」フォームは、厚生労働省のWebサイトに用意されていますので、そちらをご利用ください。
※人間ドックのほか、保険者が実施する骨粗鬆症検診やがん検診などの健康診査。
上記以外にも、特定保健指導を終了した場合や、定期の予防接種(高齢者の肺炎球菌感染症の定期接種)を受けた場合は「一定の取組」に該当します。
【必要書類】(以下A、Bのいずれか)
保険者名の記載がある場合
- A.結果通知表(コピー可)
勤務先名・保険者名の記載がない場合
- B.証明依頼書
5. 市町村が健康増進事業として実施するがん検診
健康増進法の規定に基づく健康増進事業として市町村が実施するがん検診です。
この場合は、領収書、または結果通知表を保管します。
【必要書類】(以下A、Bのいずれか)
- A.領収書(原本)
- B.結果通知表(コピー可)