日時 | 平成27年2月10日(火) 14:00~17:00 |
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場所 | 日本OTC医薬品協会 第一会議室 |
審査委員 | (第三者委員) 亀井昭宏、古澤康秀、堀美智子、瀧澤晶子 (委員) 梅岡久、関口和伴、大村忠仁、脇本貴司、古家孝之、数野哲、近藤義彦、上村浩 |
審査対象 | テレビ広告 87素材 新聞・雑誌広告 33素材 合計120素材 |
審査対象期間 | テレビ広告 平成26年 11月17日~平成27年1月13日 新聞・雑誌広告 平成26年11月21日~平成27年1月26日 |
審査概評 第三者委員 堀 美智子 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第235回広告審査会(10月28日)から変更になった審査方法も、一年以上経過し審査に対しての当初の戸惑いはなくなったものの、決して私だけではなく審査委員の心の中に、少しだけしっくりこないものがあるように思えます。広告の審査は白か黒かだけでは判断しにくいものもあり、こうされればもっとよいCMになるのではないだろうか・・・。あるいは、黒とまでは言わないが、グレーでは。次回は、少し考慮していだきたい。そんな意見が言いにくい雰囲気があるような気がします。そのため、誰か一人が口火を切ると、それに関連した意見が述べられるそんな状況が散見されます。審査には、厳格な審査と、たわいないおしゃべり的要素も必要なのではと思います。たわいない井戸端会議的な情報が、企業側に伝えられCMに還元されていくことも大切です。 今回のテレビCMで不適正となったのは、1商品でしたが、新聞広告では4商品が「不適正」となりました。新聞においては、以前から問題とされている商品もあり、なかなか審査会の意見が反映されてこないことを残念に思っています。 ところで、今回のテレビCMの審議の中で、議論された一つに効能の捉え方についてのものがありました。「神経症」という効能は、どこまで読み替えられるか。ということです。痛み、熱、咳・・・。具体的な症状が、効能・効果に記載されている場合はわかりやすいのですが・・・。一般の方にとって、漢方薬等の効能・効果は、ときに具体的な症状に結びつけにくい場合があり、効果を読み替えて表現されるCMは、貴重な情報源になるといえます。しかし、ここで大切なのは、この読み替えが、果たして正しいかということで、いたずらに使用の拡大を狙っての誤解を招くような読み替えは避けるべきです。効能の読み替えには、きちんとしたエビデンスが必要といえます。 ところで、今年の第100回薬剤師国家試験。合格率、63.17%。9,044人の薬剤師が、新しく誕生したのですが、試験問題の中には特定保健用食品、栄養機能食品や一般用医薬品に関しての問題も多く出題されていました。また、薬物代謝酵素、その遺伝子多型に関係した出題もあり、CYP2D6についての問題からは、単に基礎の問題としてだけでなく、現場の薬剤師としては、この知識を目の前の顧客に生かし医薬品使用時の個人差をきちんと捉えることの大切さ。その情報を基礎知識として持って顧客対応するように発展させるべきです。 すなわち、総合感冒薬や咳止めに配合されるデキストロメトルファンは、CYP2D6で代謝され、この酵素で作用を無くす有名な成分です。ところが、日本人の場合CYP2D6の遺伝子変異により、CYP2D6の遺伝子全体の欠損や、一塩基置換によるスプライシングや蛋白合成の異常による酵素活性の欠損から、酵素蛋白の部分的な変化による活性の減少まで、さまざまなタイプが知られています。武庫川女子大の学生1、017人を対象としてCYP2D6の遺伝子を調べたとこと、1.4%の人が、遺伝子が欠損しているというデータが報告されています。このデータから言えることは、100人に1人あるいは2人がこの酵素が欠損していることになり、デキストロメトルファンを配合した商品を服用した場合、作用が強く出すぎてふらつき、眠気など副作用が問題となるといえます。また、最近では、CYP2D6遺伝子を2~13個と複数もつ変異も見出されています。これらは先の欠損者とは逆に酵素活性が異常に亢進することなり、デキストロメトルファンの代謝が促進され効果が減弱する可能性があります。 OTC医薬品は、不特定多数の人が使用するものですが、特定少数の人に問題となることがあり、正規分布の両端の人をいかに発見し適正使用につなげて行くかが重要といえます。 テレビのCM。それは商品の告知のため。しかし、医薬品という社会的存在の商品に関してのCMには、それ以外の役割もあるのではないでしょうか。 以上 |
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審査結果 |
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TV CM 審査対象リスト | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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新聞広告審査対象リスト | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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