日時 | 平成26年12月15日(月) 14:00~17:00 |
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場所 | 日本OTC医薬品協会 第一会議室 |
審査委員 | (第三者委員) 亀井昭宏、古澤康秀、瀧澤晶子、堀美智子 (委員) 梅岡久、関口和伴、栗田宏一、宮瀬昌行、大村忠仁、川庄尚、脇本貴司、加藤景紹、数野哲、近藤義彦、上村浩 |
審査対象 | テレビ広告 70素材 新聞・雑誌広告 39素材 合計109素材 |
広告収集期間 | テレビ広告 平成26年 9月20日~平成26年11月16日 新聞・雑誌広告 平成26年10月 3日~平成26年11月20日 |
審査概評 第三者委員 古澤 康秀 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
衆議院選挙は与党の勝利に終わりましたが、政権がどうあれ、少子高齢化社会を迎えて医療を含めた社会保障制度の見直しが待ったなしの状況であることに変わりはありません。そのような中で、セルフメディケーションの推進を求める時代の流れは大河の如く、時に多少の淀みや逆流が生じたとしても、その大きな流れを止めることはできないと信じます。 さて、今回の審査会では、家電製品や健康食品などの通信販売でしばしば見受けられる手法を医薬品に用いたテレビCMの可否が議論になりました。すなわち、「今から30分限定で半額」といった類いの広告です。こういった広告の狙いは、視聴者に熟慮もしくは躊躇する時間を与えずに、直ちに購入(悪く言えば衝動買い)するよう促すことにあると思われます。 この手法は一般商品の広告としてもあまり上品とは思えませんが、それを医薬品広告に用いるのは、いかがなものでしょうか。そもそも一般用医薬品は、法律上の定義からも明らかなように、それを必要とする人が薬剤師等の専門家に相談するなどして自分の症状や体質に合うものかどうかを自ら判断したうえで購入すべきものです。にもかかわらず、購入者にじっくり検討する時間を与えずに慌てて購入させるが如き広告を行ったとすれば、「過量消費を促す」あるいは「乱用を助長する」おそれがあるとの指摘を受けても仕方がないところでしょう。 話は変わりますが、少し前に、企業向けセミナーの企画会社から私宛に講師依頼の書簡が届きました。その主旨は、「医薬品医療機器等法(旧薬事法)の広告規制を上手にすり抜けるためのヒント」というテーマで私に話して欲しいとの要望が製薬企業所属のセミナー参加者から寄せられているので引き受けてもらえないか、ということでした。私がこの依頼を無視したのは言うまでもありません。もしかしたら、私の名前を知っている製薬企業の方が、セミナー企画会社の担当者をからかうつもりで、アンケートにそのようなことを記入したのかもしれません。事情を知らない担当者は、それを真に受けて依頼状を送りつけてきたのでしょうか。 私に言わせれば、そのようなヒントは存在しません。なぜなら、本来広告してはならない虚偽・誇大な内容について、それを直接的に広告すれば違反となるので広告表現の工夫で暗示しようと試み、もしそれが成功して視聴者にその内容が首尾よく伝わったとしたなら、それと同時にその広告は違反広告となってしまうからです。医薬品医療機器等法第66条(誇大広告等の禁止)には、「明示的であると暗示的であるとを問わず」と規定されていますが、これはそのような抜け道を許さないようにするためです。 今回も、承認効能の一部に「肥満症」を含む漢方製剤のテレビCMで、「余分な脂肪をとる」というナレーションとともに若いスリムな女性の腰回りを画面で強調している広告が「不適正」と判定されました。肥満症ではない健康な女性がさらにスリムな体型になる目的でダイエット薬として使用することを広告全体で暗示しており、そのことが承認を受けた効能効果の範囲を逸脱していると判断されたことによります。この場合、広告作成者がそのような暗示を意図していたか否かが判定を左右するのではなく、完成した広告が全体として視聴者に誤認を与えるものになってしまったという結果がすべてです。 過去の広告研修会や審査概評などでも繰り返し述べてきたとおり、医薬品広告の適否は、広告を見た視聴者がその広告からどのような印象を受けるか、そしてその印象が当該医薬品に関して虚偽・誇大なものになっていないかどうかが基本的な判定基準であるべきです。広告審査では一字一句の表現もさることながら、それよりも広告全体から受ける印象を重視したいと考えており、2014年から組織・運営の改まった「新」広告審査会がその方向にあることを歓迎したいと思います。 以上 |
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審査結果 |
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OTC医薬品TV CM VTR収録リスト | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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新聞広告審査対象リスト | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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