日時 | 平成26年10月14日(火) 14:00~17:00 |
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場所 | 日本OTC医薬品協会 第一会議室 |
審査委員 | (第三者委員) 亀井昭宏、古澤康秀、瀧澤晶子 (委員) 関口和伴、栗田宏一、宮瀬昌行、大村忠仁、脇本貴司、古家孝之、加藤景紹、数野哲、近藤義彦、上村浩 |
審査対象 | テレビ広告 54素材 新聞・雑誌広告 24素材 合計78素材 |
広告収集期間 | テレビ広告 平成26年7月23日~平成26年 9月19日 新聞・雑誌広告 平成26年7月30日~平成26年10月 2日 |
審査概評 広告審査会委員長 亀井 昭宏 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
○今年4月に本広告審査会の所管が日本OTC医薬品協会から日本一般用医薬品連合会へ移管されてから4回目の審査会となった今回の冒頭、サポート体制の一層の強化が報告された。これまで3回の審査会では、連合会事務局の体制が整備中ということもあって担当者はお二人のみで、多くを従来の所管機関であった日本OTC医薬品協会のスタッフの方が支援されるという形での開催が続いていたが、今回の整備で担当スタッフは4名に増員され、その他サポートスタッフとして2名の方が当たられるという極めて篤い審査会事務局体制が整えられることとなった。実際の審査も、これまでとは違ったきめの細かな討議が加えられるようになっては来ているが、さらに一層の充実を図るべく、第3者委員兼委員長としての付託と期待にお答えしなければならないとの覚悟を新たにした次第である。 既に第237回の『審査会レポート』にも記させて頂いたように、新たな審査ルールに基づいて開催されるようになった広告審査会では、これまでの審査会においては『医薬品広告ガイドライン』に依拠しての第3者委員の判断(審査所見)を専ら伺うという形で進められてきたのに対して、広告表現全体について業界側委員からも意見や疑義の積極的な提示を求め、第3者委員の見解も伺いながら互いに意見の交換を行なった上で「不適正」かどうかの評決をおこなうという審議形式に改められた。さらに、委員の過半数以上が「不適正」と判断した場合にのみ「不適正」という審議結果とされることになったため、今回の審査会のように不適正件数は1件のみという結果に近い状況が過去3回の審査会でも続いてきているが、これは審査基準や判断が突然甘くなったということを意味するものではなく、単に広告表現の一部について「言葉狩り」的なあらさがし様の審議をするのではなく、広告全体として許容範囲を超えた表現のもののみを指摘するという審査方針に基づくものであって、「不適正」という結論には至らなかったものの委員の一部から疑念や指摘がなされた広告事例については、提示された事項や意見をしっかりと記録するという形で、機会があれば関係者並びに業界全体へ告知する可能性も確保されているということを強調させて頂きたいと思う。 また、従来の審査会とは異なった運営として、毎回業界関係者の傍聴をお認めしていることも挙げさせて頂きたいと思う。今回も20名程の方が同席をされ、傍聴して頂いていたが、私個人としては、審議に関連する事がらについて必要に応じて該当企業のお立場からの事情説明や補足説明をお伺いして良いのではないかとも考えている。また、毎回単に傍聴するだけ(つまり、一切ご発言の機会がないまま)になっているが、時には審議の進行等に関しての感想やご意見を伺う機会があっても良いのではないかと考えているところである。これらの点については、審査会委員や事務局のご意見なども伺いながら更なる充実を図っていく必要性があるだろうと思っている。その節にはぜひご協力をお願いしたいと考えている。 ○今年の夏以降、わが国ではデング熱の流行が、また世界的にはエボラ出血熱の感染拡大が大きな関心を集めている。 東京の代々木公園で蚊に刺された人がデング熱を発症したという報道がなされてからたちまちに発症患者の数が拡大し、媒介能力を有するヒトスジシマカの駆除のための消毒作業の範囲も代々木公園から明治神宮、新宿中央公園や新宿御苑、さらには浅草方面へと拡大する等、大きな騒ぎとなった。デング熱の主たる媒介蚊であるネッタイシマカは我が国には生息していない半面、ヒトスジシマカは秋田県と岩手県以南の日本のほとんどの地域に生息していることもあって、草木の生えている屋外などで行動する人々は誰でも蚊に刺され発症する可能性があることや、有効なワクチンがないことから予防接種という手段をとれないことに加えて、わが国では70年ぶりの流行ということもあって、大きな関心を集める結果となった。 若者に人気のある女性タレントがデング熱を発症し、1週間ほど高熱や四肢への発疹、さらには上腕部のむくみに苦しんだという報道も人びとの恐怖感をあおり、デング熱の媒介をしない普通(?)の蚊に対してすら必要以上の恐怖心を示す状況がつい最近まで続いていたが、秋に入り外気温が急に下がるようになると媒介蚊の生息も難しくなるのか、ようやく話題から外れるようになってきているが、消毒作業によってヒトスジシマカの卵が絶滅されたわけではなく、来年春以降外気温が再び上昇するとまたデング熱騒ぎが勃発する可能性が大きいであろう。蚊に刺されないようにすることが最大の予防策とのことで、家庭内あるいは外出時でも十分かつ有効な対策が準備される必要性があるだろう。 一方、昨年12月に最初の感染者と見られる患者(男児)が発症し死亡したり、今年1月にはその祖母や葬儀参列者が死亡し、医療関係者が感染したもののその病名が判明しなかったが、2月にギニアで流行が確認されて判明したザイールエボラウイルスによるエボラ出血熱は、またたく間にギニア、シエラレオネ、リベリアの西アフリカ3カ国を中心に拡大し、10月中旬の時点で感染者約9,000人、死者約4,500人に達して、感染はナイジェリア、セネガルの西アフリカ諸国ばかりかアメリカ、スペインへも拡大している。しかも、感染者や死亡者に多くの医療関係者が含まれていることも大きな関心を集めている。このまま感染の拡大が食い止められないと、今年12月の時点で、感染者の発生は1週間に1万人の規模に拡大するだろうというWHOの予測すら出されている。 致死率90%とも言われている恐怖の感染症であるエボラ出血熱は、西アフリカ諸国との人的交流が活発な欧米諸国並びにアメリカでは、渡航者を通じての感染の可能性が極めて高く、国を挙げてその感染防止に躍起となっている。今のところでは、エボラ出血熱患者の治療にあった医療関係者の発症に止まっているが、潜伏期間中の彼らの生活や行動中に接触した人々への感染の可能性も少なくないことから、感染防止への対策は悲鳴に近い状況に達していることが報道等から伺える。WHOは「感染者と死者の数も、地域的な広がりも、前例のない規模」であり「悪化の一途」をたどっていると指摘している。そして、「制御不能」という表現も用いた上で、流行を食い止めるためには「思い切った行動が必要」と訴えている。 かってアジア諸国を中心に大流行した鳥インフルエンザと同様に、いつ現実問題となりかねないエボラ出血熱に対する十分な対策が、わが国にとっても早急に必要であろう。伝えられるところでは、わが国のメーカーによって開発された薬剤がエボラ出血熱の治療薬として極めて有効であることが確認されたということもあり、治療や予防活動面での我が国の貢献も期待されるところである。それにしても、人類は何時になったら死の病から解放される時を迎えられるのであろうかと、つくづく考えさせられる現状である。医薬関係者のご奮闘を心から期待申し上げる次第である。 以上 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
審査結果 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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OTC医薬品TV CM VTR収録リスト | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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新聞広告審査対象リスト | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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