連合会の活動

広告審査会について

~ 第235回 広告審査会 ~

日時 平成25年10月28日(月) 14:00~17:00
場所 日本OTC医薬品協会 第一会議室
審査委員 (第三者委員) 亀井昭宏、古澤康秀、瀧澤晶子、堀美智子
(広告委員会委員) 関口和伴、川庄尚、脇本貴司、諸田隆、 数野哲、上村浩
実務部会代表 梅岡久
審査対象 テレビ広告     57素材
新聞・雑誌広告   39素材
        合計96素材
広告収集期間 テレビ広告      平成25年7月29日~平成25年 9月25日
新聞・雑誌広告    平成25年7月30日~平成25年10月3日

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審査概評  広告審査会  瀧澤 晶子

 今回から審査方法が変更され、それぞれの委員が事前にDVD資料を見て臨んだ審査会。1本ずつCMを確認する進行は従来と同じながら、「注意」「話題」という分類ではなく、「適正」か「不適正」かを採決する形になりました。
 いわば、白か黒かをよりはっきりさせねばならないわけですが、今まで以上に活発な議論が展開され、さまざまなことを考える良い機会となったと思います。以前なら「NGワード」として即「注意」とされたものも、その広告全体の文脈の中で一から考えようということで、時代による語感の変化などにも、柔軟に対応していける気がします。

 「不適正」となったものは、テレビが3商品でした。中で、私が特に気になったのは目薬です。片や饒舌、片や説明不足と、くしくも両極端なCMが並びました。
 まず、「吸着性ビタミンAを最大限配合した眼科用薬」という表現。家で見たときから、「眼科用薬」という言葉にひっかかりました。従来の目薬と異なるスイッチOTC医薬品で、強力な新薬かと思ったのです。他の委員にも同様の印象を持った方が多かったようで、「医師が使う薬であって、OTC薬でないように感じる」といった感想が頻出しました。一方、製薬メーカーからは、「目薬=眼科用薬であり、それほど違和感がない」という言葉も。一般消費者と製薬メーカーの認識に、ずいぶん開きがあると実感させられたことでした。一つの商品で11本の生CMを展開しており、1本ずつ微妙に言い回しを変えているため、採決では「適正」とされたものが7本、「不適正」とされたものが4本でしたが、その多くが「他の目薬とは違う、よく効く眼科用薬」という文脈で語られるため、視聴者が誤誘導されやすいという点は共通しており、個人的には、こういったCM展開の方法そのものを見直してほしいと感じています。
 もう一方は、「瞳は年齢を語る。エイジイングに着目した目薬」というキャッチコピーがナレーションに合わせて画面に踊る以外、効能効果などは極小文字で申し訳程度に画面の片隅に置かれるCM。
エイジイングに着目と言われても、目のエイジイングが何を意味するのか、何に効くのか、視聴者にはさっぱりわからないばかりか、CM全体が化粧品的で医薬品とは思えない、と厳しい意見が相次ぎました。ボトルをおしゃれにする、そのこと自体は、私は良いと思います。しかし、それにつられて(?)、CM自体も、雰囲気重視の、必要な情報を何も伝えないものにしてしまうのは、医薬品メーカーの責任を放棄するようなものと言えるのではないでしょうか。

 先般、一般用医薬品のインターネット販売を解禁する改正薬事法が可決されました。市販薬の99.8パーセントがインターネットで購入可能になるということで、必要な人に最適な薬が短時間で届けられるという利便性や、購入履歴の管理など、メリットを歓迎する声も多い半面、リスクへの懸念など、
さまざまな立場からの意見が報道されています。
 そのような中、私たち消費者としては、「選ぶ」目を磨いていくことが必要になってくるわけで、
そのための正しい情報を得る手段として、広告はしっかりその役目を果たしてほしいと思うのです。
 テレビで印象に残った薬を、インターネットで検索して購入する—今後は、そういうパターンも増えていくでしょう。今回、「不適正」とされたHP広告がありましたが、生命にかかわる情報を正しく伝えていくという医薬品広告の原点に、今一度立ち返る時期が来ているのではないかと思います。

以上

 
 
審査結果 
テレビ広告
一般点眼薬
指摘箇所:

<画面・音声>
エイジングに着目した目薬

見  解:

<不適正>
老化の進行を止める(エイジング効果)ような印象を与え、目薬としての効能効果の範囲を逸脱し、消費者に誤認を与える。 また、キャンペーンの告知内容がわかりにくい。

〔基準3(1)、(9)〕
一般点眼薬
指摘箇所:

<画面・音声>
「10秒間瞬きせずにいられますか」
「涙の量が減っているせいかも」
「えっ、涙の量ですか」等

見  解:

<不適正>
「涙」を強調しドライアイの効能をうたがわせる表現ととともに、「最大量」が強調表現となっている。

〔基準3(1)、(6)、(9)〕
一般点眼薬 3素材
指摘箇所:

<画面・音声>
・こだわりが違う。
・効き目が違う。

見  解:

<不適正>
「眼科用薬」の強調が過度であり、一般生活者は特別な効果があると感じる。医師が使う薬で、OTCではないように感じる。ことさら高級感、効き目を強調するために、 「眼科用薬」という呼称を用いている。

〔基準3(6)、(7)、基準15〕
婦人薬
指摘箇所:

<音声・画面>
「イライラして、ギャーってなっちゃうんですよ。落ち込むんですよね。更年期なのかな。」
「前向きになれるので」

見  解:

<不適正>
使用者による効果の体験談と受け止められ、効果を保証している表現となっている。 また、効能外的表現となっている。

〔基準3(1)、(6)〕
婦人薬
指摘箇所:

<音声・画面>
「まさか、更年期だなんて。肩こりがして、吐き気がしちゃって、重だるくて」
「毎日を整えてくれるお薬なのかな」

見  解:

<不適正>
使用者による効果の体験談と受け止められ、効果を保証している表現となっている。

〔基準3(6)〕
以上
 



OTC医薬品TV CM VTR収録リスト

広告主 商品名 秒数
塩野義製薬 ポポンSプラス 30
佐藤製薬 ユンケル黄帝液 15
佐藤製薬 ユンケル黄帝液 15
大正製薬 リポビタンD(リポビタンDス-パ-) 30
大鵬薬品工業 チオビタドリンク(ゴ-ルド) 60
佐藤製薬 ストナ{アイビ-ジェル・ジェルサイナスS・プラスジェル2} 15
佐藤製薬 ストナ{アイビ-ジェル・ジェルサイナスS・プラスジェル2} 15
全薬工業 ジキニン錠エ-スIP 15
大正製薬 パブロンSゴ-ルド{微粒} 30
大正製薬 ヴイックスメディケイテッドドロップ{レモン} 15
第一三共ヘルスケア ルルアタックEX 15
第一三共ヘルスケア 新ルルAゴ-ルドDX 15
第一三共ヘルスケア ルルアタックFX 15
武田薬品 ベンザブロックプラス{S・L・IP} 15
武田薬品 ベンザブロックLプラス{錠} 15
アサヒフードアンドヘルスケア エビオス錠 15
ライオン スクラ-ト胃腸薬 顆粒 60
ライオン スクラ-ト胃腸薬 顆粒 60
ライオン スクラ-ト胃腸薬 顆粒 60
ライオン スクラ-ト胃腸薬 顆粒 60
ライオン ストッパ下痢止めEX 60
ライオン ストッパ下痢止めEX 60
ライオン スクラ-ト胃腸薬S 散剤 60
ライオン 小中学生用ストッパ下痢止めEX 60
ライオン ストッパエル下痢止めEX 60
ライオン ストッパエル下痢止めEX 60
興和新薬 キャベジンコ-ワS 15
太田胃散 太田胃散{分包・缶入り} 15
大幸薬品 正露丸{糖衣A}P cp 111th 60
第一三共ヘルスケア ロキソニンS 15
ライオン スマイル40プレミアム 60
ライオン スマイル40プレミアム 60
ライオン スマイル40プレミアム 60
ライオン スマイル40プレミアム 60
ライオン スマイル40プレミアム 60
ライオン スマイル40プレミアム 60
ライオン スマイル40プレミアム 60
ライオン スマイル40プレミアム 60
ライオン スマイル40プレミアム 60
ライオン スマイル40プレミアム 60
ライオン スマイル40プレミアム 60
参天製薬 サンテボ-ティエ Pcp 15
ロート製薬 パンシロンビオリズム健胃消化整腸薬 15
ア-ス製薬 サラテクトク-ル(サラテクトティッシュ) 15
ア-ス製薬 サラテクトウォ-タ-ジェルタイプ 15
久光製薬 サロンパスシリ-ズ フェイタス3.5α 応援 15
久光製薬 エア-サロンパスジェットα(DX) 15
龍角散 タイガ-バ-ム{スティックN} 15
小林製薬 命の母 15
小林製薬 命の母 15
小林製薬 命の母 15
小林製薬 コムレケア 15
小林製薬 アイボンメディカル 15
太田胃散 ロコフィットGL 15
大正製薬 リアップジェット 90
大正製薬 リアップジェット 60
日本臓器製薬 肩用ラックル顆粒 90


 


新聞広告審査対象リスト
広告主 商品名 媒体名
富山常備薬グループ キミエホワイト 読売新聞
救心製薬 救心
救心カプセル救心内服液
読売新聞
DHC 新聞限定DHCエルシスホワイト240 読売新聞
富山常備薬グループ キミエホワイト 読売新聞
小林製薬 ハッキリエースa 朝日新聞
富山常備薬グループ キミエホワイト 朝日新聞
佐藤製薬 ユンケル総合 朝日新聞
救心製薬 救心 読売新聞
救心製薬 救心 朝日新聞
武田薬品工業 アリナミンA 朝日新聞
救心製薬 救心 読売新聞
小林製薬 ハッキリエースa 読売新聞
再春館製薬所 痛散湯 読売新聞
救心製薬 救心内服液 読売新聞
佐藤製薬 ユンケル総合 朝日新聞
大鵬薬品工業 ソルマック胃腸液プラス
ソルマックゴールド
読売新聞
ノバルティスファーマ ボルタレンEXゲル
ボルタレンEXテープ
朝日新聞
武田薬品工業 アリナミンRオフ 読売新聞
富山常備薬グループ キミエホワイト 朝日新聞
救心製薬 救心 朝日新聞
再春館製薬所 痛散湯 読売新聞
ライオン バファリンA 朝日新聞
大正製薬 リポビタンDスーパー 日経新聞
大幸薬品 正露丸
セイロガン糖衣A
朝日新聞
水橋保寿堂 シミトールトルビタ錠 朝日新聞
大鵬薬品工業 ソルマック胃腸液プラス
ソルマックゴールド
読売新聞
大正製薬 リポビタンDスーパー 朝日新聞
ライオン バファリンA 朝日新聞
アンターク本舗 ネオシーダー 日経新聞
エスエス製薬 エスカップゼロ 読売新聞
太田胃散 太田胃散 読売新聞
興和 ザガードコーワ整腸錠PC 読売新聞
ゼリア新薬工業 コンドロイチンZS錠 読売新聞
エスエス製薬 エスカップゼロ 朝日新聞
興和 ザガードコーワ整腸錠PC 朝日新聞
バイエル薬品 バイエルアスピリン 朝日新聞
救心製薬 救心 朝日新聞
大鵬薬品工業 チオビタドリンク 朝日新聞
大正製薬 リポビタンDスーパー 読売新聞

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