使用上の注意の文字が小さい、一日一回使用は、イコール24時間効果が継続すると表現してよいか・・・。その時は、エビデンスが必要では・・・。また、以前審査会において「注意」「話題」と指摘されたCMと一見同様と思えるCM、どの点が変化したか。など、の議論がかわされました。
ところで、CMは一般の人への疾病や薬についての正しい情報源になるとも言えます。普段のテレビを通して、単発的に見ていたときには、あまり気付かなかったことなのですが、審査のために連続してCMを見て気付いたことや、審査時に検討された点について紹介します。
① 痛み止めの作用機序
「頭痛の事を考えて開発したから・・・。」商品名だけからでは、主成分がイブプロフェンということは謳われていないのですが、この商品の主成分はイブプロフェン。イブプロフェンは、頭痛と理解できます。
次の痛み止めは、「生理痛の時の。」「頭痛とか。」でダブル処方・・・。アセトアミノフェンが頭痛
イブプロフェンが生理痛。
どちらの内容も誤りではないのですが・・・。続けてみると違和感を感じます。
② 薬の用法・用量について
バーベキュー会場で、勧められる薬。大きなボトルから手のひらに薬を出し、錠剤数を数えるわけではなく、服用。審査会では、思わず、一回の用量は・・・。と、皆で確認。ま、一回10錠ですから・・・。そのくらいだから・・・。うーん。それでいいのかな・・・。一振りで10錠、本当に正確にでる。錠剤をボトルのキャップにだしてくださらないかな。数、数える映像は・・・。やはり、薬剤師としては気になります。
③ 薬の適応と症状:立ちくらみはイコール貧血としていいか
疾患の症状を示される映像。立ちあがるとクラットする貧血に・・・。と、貧血を立ちくらみで表現されているCM。確かに、貧血が強くなると、たちくらみやめまい、疲労感、息切れや動悸が起こってきます。が、一般的に立ちくらみは、脳貧血と表現されることもある、起立性低血圧の症状であり、貧血と脳貧血を混同されているのではと疑問が。俗にいう脳貧血は立ち上がった時にふらつきやめまいなどを感じる場合を指していて、赤血球の変化とは関係なく血圧の変化で起こってくるものです。
貧血を表現するのであれば、やはり階段を登るときの動悸など複数の症状を紹介していだきたいと思います。
OTC薬のネット販売全面解禁。商品の購入判断は、CMが大きな影響を持ってくるのでしょうか。
そして、家電製品や日用品の購入の決定要因が価格であるように、OTC薬の購入はネット上で価格を比較して購入ということになっていくのでしょうか。OTC薬の価格破壊が進行していくのでしょうか。
私は、医薬情報を仕事にしてきました。薬は物+情報です。過大な表現、誤解を与えるようなOTC薬の適応症状。それらの症状に困った人が、その薬を使用し効果が期待できなかったとしたら・・・。それは、その商品だけでなくOTC薬の効果そのものに疑問を投がかけるのものなってしまうのではと、思えます。
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