日本一般用医薬品連合会 - 一般用医薬品業界の連携を強化し、様々な課題について取り組みを進めます。

○今年の夏は、前半は比較的涼しい日が続き冷夏の予想もあったのが、７月の中旬頃からは一変して猛暑の日が続き出し、消防庁の統計によれば7月及び8月の半ばまでに熱中症のために救急搬送された人は全国で既に3万3千名を超え、死者も高齢者を中心に少なからず出ているとのことであった。夏は夏なりに暑いことが農作物の収穫など日常生活面でも必要であるとは百も承知をしているものの、連日35度近い猛暑の日が続いていると、つい愚痴の一つも言いたくなるのが人間の悲しい性なのであろう。
　8月中旬の旧盆の1日、私の大学院のゼミ生で昨年急逝した院生の墓参りに同期生の何人かと熊谷市へ出かけた。帰宅後のTVニュースによれば同日の熊谷市の最高気温は37.1度であったとのことだったが、アスファルトとコンクリートで固めた市内の日中の気温はおそらく40度を超えていたのではないかと思うほどの目も眩むような強い日差しで、建物の中から外へ出ようとしてドアを開けると、さながらサウナのドアを開けたような熱風が噴き出してくる感じであった。Yシャツは汗まみれになり、建物内の冷風や冷たいペットボトルの水に本当に救われるような思いがした。熊谷市は館林市などとともに関東屈指の猛暑地域であるが、そこに生活をしておられる方々はどのように酷暑を克服しておられるのか、正直なところとても気になった次第である。
　私は子どもの頃都心で生活をしていたが、真夏の夕方近くになると家の前の道路に置いた縁台の周りに打ち水をして、家族や近所の人たちと一緒に毎晩夕涼みをした経験を有している。エアコンが普及している前で、日中の冷風とはあんまり縁がなかったが、父に連れられて乗った地下鉄（銀座線）の運転席のわきに立つと、開いている前面の窓から冷風が吹き込んできて心地よい思いをしたことを懐かしく思い出す。近年は、暑くなるとすぐにエアコンのスイッチを入れ、冷風の下で冷蔵庫から取り出した冷たい飲み物を口にする生活が当たり前になっているが、そうした生活が果たしてどこまで健康的な生活と言えるのか、そろそろ家族とも相談をして良い時期になったのではないかと考えている今日この頃である。

○今回の審査会の席上で審査委員であられる古澤先生からご発言があったが、最近の朝日新聞の報道にもあった健康食品、特に特保の広告表現をめぐって消費者庁が本審査会のような組織を設け、本格的な審査を行なう機運が出てきていることに関連して、
私自身も似たような動きの情報を得たことをご報告しておきたいと思う。
　それは、先月千葉県の東金市にある城西国際大学で開催された日本ダイレクトマーケティング学会の研究発表大会の懇親会の席上で、日本通信販売協会（JADMA）の事務局の幹部の方から、同協会が通信販売に関連するチラシ広告の表現内容に関するチェックを行なう計画があり、その節には協力をして欲しい旨の要請を受けたということである。こうした通信販売のチラシ広告のチェックが今後も継続的に実施されるものであるのかどうか、OTC医薬品の販売に絡んだチラシ広告がチェックの対象に含まれるのかどうか、さらには本審査会のような組織体制の下で実施されるものであるのかどうか今のところではいまだ明らかではないが、これまで問題がある事を痛感しながら必ずしも十分にチェックの手立てが講じられていたとは言えない広告事後審査の範囲が拡大しそうな動向は、喜ばしい限りであると言えるであろう。その時、これまで長年にわたって極めて厳正なルールの下で、業界関係者の皆さまの全面的な協力と支援の下に継続的に実施されてきた本審査会の活動は一つの貴重なお手本になるはずであり、まことに失礼な言い方になるかもしれないが、以って瞑すべきであろう。
　関連して古澤先生が発言しておられた、OTC医薬品広告ならではの品位の確保を業界として目指すべきであるというご意見には私もまったく同感である。訴求対象者としての消費者の関心・興味を引く広告であることの要件の1つとしてのユーモア表現がOTC医薬品広告にもあり得ることは否定されるべきではなく、むしろ広告への親近感や理解度の増進という点ではきわめて有効な表現類型であることは明らかであるだけに、OTC医薬品広告としての「品位のあるユーモア表現」の範囲と類型が業界挙げて模索されるべきであろうことを強調させて頂きたいと思う。広告委員会等を通じての今後の検討を期待したい。

以上