連合会の活動

広告審査会について

~ 第227回 広告審査会 ~

日時 平成24年6月18日(月) 14:00~16:00
場所 日本OTC医薬品協会 第一会議室
審査委員 (第三者委員) 亀井昭宏、瀧澤晶子、古澤康秀、堀 美智子
(広告委員会委員) 船橋 誠、齊藤勝己(代理)、西本正剛、室 直秀、入倉 昇(代理)、脇本貴司、諸田 隆、青島修治、上村 浩、近藤義彦
審査対象 テレビ広告     72素材
新聞・雑誌広告   13素材  合計85素材
広告収集期間 テレビ広告     平成24年3月22日~平成24年5月20日
新聞広告      平成24年3月27日~平成24年5月23日

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審査概評  第三者委員  古澤 康秀
第227回広告審査会では、次のとおりでした。
審査結果… テレビ広告

注意・・・ 6素材 8件

話題・・・ 7素材 9件
新聞広告
注意・・・ 2素材 2件
 

 この原稿が皆様の目に触れる頃には、ロンドンオリンピックも終わっていることでしょう。なでしこジャパンや体操チームは、日本に元気を与えてくれたでしょうか。そして、医薬品業界にも何か明るいニュースが届いているでしょうか。

 このところ、医薬品のテレビCMを見ていて気になっていることがいくつかあります。

 ひとつは、「ドッカーン」とか「バシーン」とか、意味不明の激しい擬音や動作を使って、医薬品の効き目の強さを視聴者に印象づけようとする広告が散見されることです。ご存じのように、「よーく効きます」とか、「強力な効き目」などの禁句を広告に使えば、効能の保証表現または最大級の表現として不適切と判定されます。では、そのような禁句を用いなければ、何をやってもよいのでしょうか。私はそうは思いません。
 医薬品広告規制の根拠条文である薬事法第66条には、「明示的であると暗示的であるとを問わず」、虚偽又は誇大な広告を禁止する旨、規定されています。したがって、視聴者がそのCM全体から受けるイメージとして、許容範囲を超えるインパクトをもって効果が強調されているものであれば、禁句表現と同様に不適切と考えます。
 こうした暗示的なCMについて、どこまでを認め、どこからを不適切とするかの具体的な判断基準を示すのは容易ではありませんが、このような手法がエスカレートした場合の影響を考えると、放任することはできないのではないでしょうか。節度のある対応を各社に期待したいところです。
 もうひとつは、スイッチOTC薬の広告に従来から使われている「医療用成分配合」という表現です。ご存じのように、薬事法令上、医薬品は大きく「医療用医薬品」と「一般用医薬品」に区分されています。したがって、新たに医療用医薬品から転用された成分を「医療用成分」と表現すること自体は、決して間違ってはいません。もちろん、現状では不適切とも言えません。そのことは十分に承知しつつ、それでもこの表現に何か違和感を覚えるのは私だけでしょうか。
 そもそも「医療用医薬品」、「一般用医薬品」という法令上の区分けは、ややうがった見方をすれば「一般用医薬品は医療に用いるものではない」というふうにも受け取れます。このような用語が用いられることになった歴史的な経緯をたどれば、昭和42年に厚生省が医薬品製造承認等に関する基本方針を定めた中で、医療用医薬品と一般用医薬品を区分したことにさかのぼります。当時のわが国の医療をめぐる環境といえば、国民皆保険制度の確立を受け、中学校の保健体育の先生が「風邪を引いたらまず医者にかかれ」と教えていた時代でした。「医療=医師」の時代だったのです。
 一方、セルフメディケーションは軽医療を含む概念であり、OTC薬は軽医療に用いられてセルフメディケーションに貢献するものですから、このような誤解を招くおそれのある「医療用医薬品」という法令用語は、セルフメディケーションを推進する立場からすれば好ましい用語ではないと思います。私が違和感を覚えるのもその点からです。
 OTC薬業界としては、軽医療におけるOTC薬の存在感を高めていきたいと考えているはずです。にもかかわらず、現状では、自分たちにとって好ましくない用語を自ら率先して使用していることになりませんか。OTC薬の輝ける将来を見据えて、「医療用成分」に代わる用語(たとえば「新OTC成分」など)を業界として検討してはいかがでしょうか。

 セルフメディケーションの推進に向けて、スイッチOTC薬の拡大が議論されています。新たなスイッチOTC薬の登場は、セルフメディケーションの普及に寄与し、薬局・薬店に足を運ぶ生活者の増加、ひいてはOTC薬市場全体の活性化につながるものです。そして、それを実現させるためには、医療関係者も含めた社会全体からのOTC薬に対する理解と信頼をさらに高める必要があります。医薬品広告においても、そのような視点に立った一層のご配慮をいただければ幸いです。

以上

 
審査結果 
テレビ広告
瀉下薬
指摘箇所:

<音 声>
「なーんか怖くない」「もう、やさしくなっておる」「すんなりどっさり植物性」

見  解:

<注 意>
その他の便秘薬が怖く、当該製品はそれを改善した薬のように聞こえる。また、植物性だからたくさん出るわけでもなく、全体の流れとして「植物性」ということに安心を表現している意図がある。結果、効能効果又は安全性について保証的な表現であり、他社誹謗にもつながる。

〔基準3(7)〕〔基準9〕
浣腸薬
指摘箇所: <画面・音声>
画面で「△△△(タレントの名前)は、なんぷん?」という質問。それに対しタレントの△△△さん本人が「△△△は、ななふん」と答える。 
見  解:

<注 意>
タレント本人が7分と答えると「7分で効果があった」と一般生活者は理解します。体験談的表現であり効能効果又は安全性の保証的な表現です。

〔基準3(6)〕
鎮痛・鎮痒・収れん・消炎薬
指摘箇所: <画面・音声>
画面で「化膿を防ぐ」、音声で「そして化膿を防ぐ」
見  解:

<注 意>
音声・画面で「化膿を防ぐ」と表現すると予防薬的であり承認を受けた効能効果の範囲を超えた表現となります。なお、当該製品の効能は「化膿を伴う次の諸症:湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、じんましん」「化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎)」です。

ガイドライン〔基準8〕
みずむし・たむし用薬
指摘箇所:

<画 面>
「使用上の注意」の表記が小さい。

見  解:

<注 意>
「使用上の注意」を画面の大部分(3分の2)で記載することになっています。ご注意下さい。

〔基準8〕
鎮痛・鎮痒・収れん・消炎薬
指摘箇所: <画 面>
画面で「△△△(スポーツ選手の名前)」の文字と本人が商品を使う映像。音声で「効く~」 
見  解:

<注 意>
極めて認知の高いスポーツ選手が製剤を使用しながら「効く」と発するのは極めて体験談的であり、結果、効能効果又は安全性について保証的な表現である。

〔基準3(6)〕
指摘箇所: <画面・音声>
画面で金属製の球体が肩にあたる映像。音声で「鉄球でグリグリほぐして」 
見  解:

<注 意>
実際には鉄製ではなくステンレス製。生活者に間違った情報を提供してはいけない。

〔基準2 広告を行う者の責務〕
指摘箇所: <画 面>
商品名が「○○○***」に見える。 
見  解:

<注 意>
正式名称は「○○○」。生活者に間違った情報を提供してはいけない。

〔基準2 広告を行う者の責務〕
殺菌消毒薬
指摘箇所: <画面・音声>
「痛みを抑えてしっかり治す」 
見  解:

<注 意>
治療薬で「治す」という表現は使用可能だが、「しっかり治す」は保証的な表現です。

〔基準3(6)〕
新聞・雑誌広告
抗菌性点眼薬
指摘箇所:

<文 字>
第2種医薬品

見  解:

<注 意>
分類の表示は生活者がはっきりと視認できるよう正しく明瞭に記載して下さい。サイズ・色・フォントなどを工夫して掲載して下さい。

〔ガイドライン22〕
鎮うん薬
指摘箇所:

<文 字>
第2種医薬品

見  解:

<注 意>
分類の表示は生活者がはっきりと視認できるよう正しく明瞭に記載して下さい。サイズ・色・フォントなどを工夫して掲載して下さい。

〔ガイドライン22〕
 

第227回広告審査会では、以上のほか次の品目が話題になりましたので、ご参考までにご紹介しておきます。

テレビ広告
制酸薬
指摘箇所: <画 面>
「第2類医薬品」の文字が読みにくい。
見  解: <話 題>
分類の表示は生活者がはっきりと視認できるよう明瞭に記載して下さい。サイズ・色・フォントなどを工夫して掲載して下さい。
*他社の製品ですが第226回審査会で「注意喚起」しています。次回改訂時には明瞭に記載して下さい。
〔ガイドライン22〕
一般点眼薬
指摘箇所: <画面・音声>
「爽快感の頂点」「最高級の清涼感」と表現。
見  解: <話 題>
使用感表現とはいえ「頂点」「最高級」という文言を含んだ全体のイメージのインパクトが強く、品質的にも最高という印象を生活者に与えるのでは?結果、効能効果又は安全性について最大級の表現につながりかねないと話題となりました。 また、効能効果を超えた使用感表現は如何なものかという見解もありました。
〔基準3(7)〕〔基準9〕
一般点眼薬
指摘箇所: <画面・音声>
音声で「ビタミン」といいながら画面では「ビタミンB6」の説明。
見  解: <話 題>
ビタミンにも種類は色々あるので、成分の説明は正しく丁寧に。
〔基準2 広告を行う者の責務〕
指摘箇所: <画面・音声>
「ビタミンAが入っているのは○○○だけ」
見  解: <話 題>
○○○***(商品名)にはビタミンAが入っているが、他に入っていない○○○シリーズも存在する。丁寧に正しく説明をすべき。
〔基準2 広告を行う者の責務〕
瀉下薬
指摘箇所: <画面・音声>
「第2類医薬品」の文字が読みにくい。
見  解: <話 題>
分類の表示は生活者がはっきりと視認できるよう明瞭に記載して下さい。サイズ・色・フォントなどを工夫して掲載して下さい。
*他社の製品ですが第226回審査会で「注意喚起」しています。次回改訂時には明瞭に記載して下さい。
〔ガイドライン22〕
瀉下薬
指摘箇所: <画面・音声>
「第2類医薬品」の文字が読みにくい。
見  解: <話 題>
分類の表示は生活者がはっきりと視認できるよう明瞭に記載して下さい。サイズ・色・フォントなどを工夫して掲載して下さい。
*他社の製品ですが第226回審査会で「注意喚起」しています。次回改訂時には明瞭に記載して下さい。
〔ガイドライン22〕
指摘箇所: <音 声>
「出ちゃうらしいぞ。」「どっさりらしいぞ。」
見  解: <話 題>
全体のストーリーの中で一言入るくらいであれば保証的表現とはならないが、指摘の文言を二つを続けると強調表現となり効能効果の保証的な表現につながります。
〔基準3(6)〕
漢方製剤
指摘箇所: <画面・音声>
画面では「肥満症・肥満に伴う便秘に」で音声では「肥満症に効く○○○(商品名)」
見  解: <話 題>
当該製品および防風通聖散がやせ薬だという印象を与えかねない。また当該製品は証を間違えて使うと健康被害を招く恐れがあるので正しい情報を伝えるべき。
〔基準2 広告を行う者の責務〕
みずむし・たむし用薬
指摘箇所: <画面・音声>
音声で「○○○(商品名)が一新」、画面で「効き目をよくばれ」
見  解: <話 題>
音声、画面を含む全体のトーンが効き目を強調しすぎのイメージがある。全体のトーンを下げるべき。
〔基準3(6)〕



OTC医薬品TV CM VTR収録リスト
対象期間:2012年3月22日~2012年5月20日

広告主 商品名 秒数
佐藤製薬 ユンケル黄帝液 15
ゼリア新薬工業 ヘパリーゼドリンク 15
第一三共ヘルスケア トランシーノ 15
武田薬品 アクテージAN錠 15
塩野義製薬 ポポンSプラス 15
エスエス製薬 ハイチオールCプラス 15
ゼリア新薬工業 コンドロイチンZS錠 15
ゼリア新薬工業 コンドロイチンZS錠 15
第一三共ヘルスケア リゲイン 日本を元気にするcp 30
大正製薬 リポビタンファイン 15
大正製薬 リポビタンファイン 15
大正製薬 リポビタンD(リポビタンDスーパー)50th 30
大正製薬 リポビタンD 50th 90
大正製薬 大正漢方胃腸薬爽和{微粒・錠剤} 15
ライオン ストッパ下痢止め 15
ライオン ストッパ下痢止め 60
ライオン ストッパ下痢止め 60
ライオン ストッパ下痢止め 60
ライオン 小中学生用ストッパ下痢止め 60
エーザイ セルベール整胃錠 フィラリア症制圧活動を支援 15
エーザイ セルベール整胃錠 フィラリア症制圧活動を支援 15
第一三共ヘルスケア 第一三共胃腸薬コアブロック 散剤 15
第一三共ヘルスケア ロキソニンS 15
第一三共ヘルスケア ロキソニンS 15
ライオン バファリンルナi 15
エスエス製薬 イブA錠 15
塩野義製薬 セデスハイ(セデスハイG) 15
ロート製薬 Cキューブクール 15
ライオン スマイルコンタクト{クールブラック} 15
武田薬品 ファーストマイティアCL{G・B} 15
ロート製薬 ロートジープロc※TAKAHIRO篇 15
ロート製薬 ロートジープロc ※MAKIDAI篇 15
ライオン スマイル40EXゴールド 60
ライオン スマイル40EXゴールド 60
ライオン スマイル40EXゴールド 60
ライオン スマイル40EXクール 60
ライオン スマイル40EXクール 60
ロート製薬 ジュニアール 15
ゼリア新薬工業 新ウィズワン 15
ゼリア新薬工業 新ウィズワン 15
小林製薬 クレンジル 15
イチジク製薬 リセッチ 15
武田薬品 漢方便秘薬 15
大正製薬 コーラックⅡ 15
クラシエ薬品 コッコアポプラスA錠 15
クラシエ薬品 コッコアポプラスA錠 60
久光製薬 サロンパスA(らサロンパス)運動器の10年応援 15
久光製薬 サロンパスA(らサロンパス)運動器の10年応援 15
田辺三菱製薬 フルコートF軟膏 15
久光製薬 ブテナロックVα クリーム(ブテナロック足洗いソープ) 15
小林製薬 アンメルツゴールドEXグリグリ 15
小林製薬 フェミニーナ軟膏s 15
金冠堂 キンカン(キンカン虫よけスプレー) 30
第一三共ヘルスケア トラフルダイレクト 15
ロート製薬 メンソレータム エクシブディープ10クリーム 15
池田模範堂 ムヒHD 15
久光製薬 サロンパスシリーズ フェイタス3.5α 15
久光製薬 サロンパスシリーズフェイタス3.5αL 15
ロート製薬 メンソレータムアクネージア{ニキビ薬} 15
池田模範堂 液体ムヒS QUOカードP 5/10~8/9 15
池田模範堂 {液体ムヒアルファEX・ムヒアルファEX} 15
池田模範堂 ムヒホワイティ 15
森下仁丹 メディケア ダイアジンA軟膏(靴ずれ絆創膏) 15
池田模範堂 デリケアM's※電車篇 15
養命酒製造 養命酒 30
大正製薬 リアップX5 30
ライオン デントヘルスR 60
ライオン デントヘルスR 60
ライオン デントヘルスR 60
ライオン デントヘルスR 60
ライオン デントヘルスR 60
小林製薬 命の母ホワイト 15


 


新聞広告審査対象リスト
期間:2012年3月27日~2012年5月23日
広告主 商品名 媒体名
アンターク本舗 ネオシーダー 読売新聞
再春館製薬所 痛散湯 朝日新聞
グラクソスミスクライン コンタックせき止めST
新コンタックかぜ総合
朝日新聞
大正製薬 センパアQT 日経新聞
大正製薬 リポビタンD 朝日新聞
山崎帝国堂 毒掃丸 朝日新聞
興和 エルペインコーワ 読売新聞
武田薬品工業 アクテージAN錠 読売新聞
大正製薬 リポビタンD 朝日新聞
大正製薬 リポビタンD 朝日新聞
グラクソスミスクライン コンタックせき止めST
新コンタックかぜ総合
朝日新聞
大正製薬 抗菌アイリスα 朝日新聞
大正製薬 抗菌アイリスα 日経新聞

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