連合会の活動

広告審査会について

~ 第214回 広告審査会 ~

日時 平成22年4月12日(月) 14:00~16:00
場所 日本OTC医薬品協会 第一会議室
審査委員 (第三者委員) 亀井昭宏、瀧澤晶子、古澤康秀、堀 美智子
(広告委員会委員) 船橋 誠、太田 昭、室 直秀、佐藤栄一、宮瀬昌行、諸田 隆、倉本 力(代)
幹事 青島修治(ライオン)、星野好紀(大正)、三原広義(武田)、脇本貴司(武田)、高荷貞子(ノバルティスファーマ)
審査対象 テレビ広告    48件
新聞・雑誌広告  17件  合計65件
広告収集期間 テレビ広告 平成22年1月26日~平成22年3月20日
新聞広告  平成22年1月28日~平成22年3月22日

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審査概評  第三者委員  亀井 昭宏
第214回広告審査会では、次のとおりでした。
審査件数・・・ テレビ広告
新聞・雑誌広告
48件
17件
計 65件
審査結果・・・ テレビ広告

注意・・・ 3件

話題・・・ 1件

調査・・・ 1件
  新聞広告

注意・・・ 2件
◇     ◇     ◇      ◇     ◇

○審査の席上で感じたこと
 今回の広告審査会では珍しく審査対象の広告件数が少なく、見込みでは短時間で終了するはずであったが、2~3件について審査委員の意見が続出し、それほどの短時間では終了しなかった。それでも、毎回優に3時間は要する審査会が、今回は2時間程度で終了したのは「春の珍事」と言えるのかもしれない。
 広告審査に先立って、前回の第213回審査会の席上で「注意」と判定された広告に対する該当広告主企業からの回答に若干疑問を感じるものがあったので、少し感想を述べさせて頂きたいと思う。
 それは、新聞広告として出稿された広告表現(2件)に対して、審査会としての指摘点と審査基準を具体的に示した上で「注意」と判定したものについてである。これに対する該当広告主企業からの回答には、いずれも「指摘された表現は、提示された基準には該当していないと考えます。」というものであった。一見するときわめて正当な回答のように思えるが、審査委員として審査のお手伝いをさせて頂いている人間としては、素直に直ちに「そうですか」とは言えない気分であった。それは、自主規制基準に対する考え方ないし姿勢そのものに基本的な問題があるように思われたからである。
 判定や判断の基準については個々別々な考え方が存在し得ることを否定するものではないが、そうした基準を尊重することで、ある集団の存在と自主規制活動が成立しているとき、集団的な判断に対して、自己(社)の主観的な見解や解釈のみを提示して異議を申し立てることは、やや民主主義的なルールに反するのではないだろうかという疑問であった。広告審査会は、4名の第三者委員を含むおよそ20名の委員によって構成されている。企業委員も自社の利害を離れ、客観的な視点から公明正大に審査を進めており、基準の適用に関しても公平な判断と審議が重ねられている。「違反」「注意」あるいは「調査」という結論も、常に全会一致の原則が貫かれているように思われる。20名前後の委員の公平かつ慎重な審査によって判定された審査会の結論は、少し大げさな言い方をすれば、業界の「総意」的な意味合いを有するのではないだろうか? もちろん、そこに事実誤認や、別個の反証データなどの証拠があれば、その旨の指摘と反論はあり得るであろう。しかし、そうした指摘や提示なくして、基準の解釈の相違を反論の根拠とするのは、自主規制そのもの存在や意義を否定・拒否することにつながるのではないかと思うのであるが、関係者の方々のご見解をぜひお伺いしたい気持ちでいっぱいである。

◆     ◆     ◆

○セルフメディケーションと予防処置について
 昨年度は、筆者の勤務する大学では春学期に麻疹の流行によって1週間の全学休講が実施され、数十年に及ぶ大学教師生活を通じて初めての経験で本当にビックリさせられた。さらに、秋学期に入ると新型インフルエンザの大流行によって再び全学休講の可能性があるとのことで、休講期間中の自宅学習やレポートの課題準備の通達が大学の教務部から2度にわたって発せられるなど、流行病に騒がされた1年間であった。幸いな(!?)ことに、ゼミの学生や担当科目の受講学生の相当数から「新型インフルエンザに感染したため」とする欠席届が提出されてきていたにもかかわらず、不思議なことに大学当局からも学部教務からも休講の指示は出されることなく、無事に学年末を迎えることができた。
 昨年の秋頃から、冬季に入ったら新型インフルエンザの大流行は必至だろうとの観測が教員仲間でも話題になっていたが、その気配は濃厚であったにもかかわらず、具体的な処置は全くないままに経過した。4月に入って新学年を迎え、昨年度の経験が生かされ、万が一のための覚悟や準備があってもしかるべきはずなのに、そうした気配は全くなく、狐に鼻を抓まれたような気持ちでいる。「喉もと過ぎれば熱さを忘れる」という格言が、どうも全く生かされていないようである。
 私ごとで恐縮であるが、今年は夏休み中に中国本土の2つの大学で集中講義のため、約2週間にわたる出張の予定が入っている。中国というと、昨年の毒入り餃子事件など食品関係の過去の事件のこともあってか、家族を初め友人知人は食品や飲料水についての懸念を忠告してくれている。中国留学生活の経験を有する卓球の福原愛選手が、筆者の勤務する大学を中退して中国最強のプロリーグのチームに入団して活躍していたのが、ごく最近腸炎ビブリオを患って、治療のことなどもあって緊急帰国をした報道があったりしていたから、なおさらのことであった。
 実は2年前に、中国の揚子江の中流に位置する湖北省の武漢市にある武漢大学でアジア広告会議が開催された折、基調報告のため5日間ほど同市のホテルに滞在して毎日大学内の会場へ通ったことがあった。その折、1日2回(朝晩)1リットル・サイズのペットボトルに入ったミネラルウォータが2本大学関係者から支給され、歯磨きやうがいを含めて、口に入れる水は必ずそれを使うように厳重に忠告された経験を有している。支給されたペットボトルは、20本ほどが厚いビニールで一括してシュリンクされたものを、目の前でカッターで切り裂いて配られるほどの厳重さであった。
 大学内の食堂などで供された食事は、毎回学院長(日本の大学の学部長)クラスのお偉いさんによって「農薬などで汚染されたものでない食材を調達して、注意して調理している」旨の説明がなされ、たとえば食後のフルーツなどは、海南島のビニールハウスで育てたものを特に取り寄せたという説明がなされていた。そうした配慮のお陰か、それとももともと粗食慣れしていて胃腸が丈夫であったのか、体調を崩すことなく無事帰国することができた。
 しかし、大会前に訪れた北京市郊外の八達嶺の万里の長城では、本体とキャップが明らかに別物であるペットボトル入りのミネラルウォータが露店で売られていたり、
大会終了後の参加者全員参加の慰労旅行として訪れた観光名所の蘆山では、一流ホテルの屋外の流し場で、蛇口から流れ出る泥水状の水で食器を洗っていた光景を目撃したりした。
 持病のこともあり、今年の夏の中国出張には予防薬的な医薬品を多種大量に持参しなければならないだろうと覚悟はしているが、日常生活ではあまり意識していないセルフメディケーションを海外で真剣に意識し、実践しなければならないというのは皮肉な話だと、日本での安心かつ安全な暮らしに改めて感謝している今日このごろである。

以上

◇     ◇     ◇      ◇     ◇
 
審査結果 
テレビ広告
●鼻炎用点鼻薬・鼻炎用内服薬
指摘箇所:

<画 面>
よく効く。それは専門薬

見  解:

<注 意>
「専門薬だからよく効く」と受けとられ、他社誹謗的であり、かつ最大級の保証表現となります。

〔基準3(7)〕〔基準9〕
●鼻炎用内服薬
指摘箇所:

<音 声>
やば、私も花粉デビュー。
効いてまーす。

見  解:

<注 意>
服用シーンは無いものの、全体的な印象から速効的な表現に見えます。また、TVCFに個人名を出すことは使用体験談のような誤認を与えます。ご注意ください。

〔基準3(6)〕〔基準3(8)〕
●外用鎮痛・消炎薬
指摘箇所:

<音 声>
ナレーションで「肩こりを楽にしてくれます。」その後直ぐにタレントの声で「やっぱり○○○」

見  解:

<注 意>
効能・効果を表現したあとすぐに「やっぱり○○○」と商品名を言うことは効能・効果及び安全性の保証表現となります。ご注意ください。

〔基準3(6)〕
新聞・雑誌
●その他の消化器官用薬
指摘箇所: <文 字>
胃腸のトラブル解消に!
見  解: <注 意>
「解消」は効能・効果の保証表現で禁句扱いです。ご注意ください。
〔基準3(6)〕
●発毛促進育毛剤
指摘箇所: <文 字>
「使用上の注意」記載文言の不足
見  解: <注 意>
使用上の注意を促すため、「この医薬品は、薬剤師から説明を受けて、使用上の注意をよく読んでお使いください。」と正確に記載が必要な薬効群です。
〔基準8〕〔広告自主申し合わせ(2)〕

第214回広告審査会では、以上のほか次の品目が話題になりましたので、ご参考までにご紹介しておきます。

テレビ広告
●鼻炎用点鼻薬
指摘箇所: <音 声>
森の中で花粉症状を発現し、治っていくシーン
見  解: <話 題>
花粉症状があるにも係らず、マスクをつけるなどの対策もせず無防備に杉の生息地のように見える森林中にいるというシーンは、シチュエーションとしてふさわしくないのでは?と話題になりました。
〔第2広告者の責務〕
●かぜ薬
指摘箇所: <音声・画面>
「できれば、風邪薬は飲みたくない」「強い薬はできるだけ避けたい」「生薬配合」「おだやかな効きめ」
見  解: <話 題>
当該表現は他社誹謗的で、生薬成分に関する安全性について、いささか保証的ではないでしょうか?と話題になりました。
〔基準3(4)〕〔基準3(6)〕〔基準9〕
●外用消炎鎮痛剤
指摘箇所: <画 面>
効能・効果の記載がない。
見  解: <話 題>
効能・効果の記載を行ってください。
〔第2広告者の責務〕
新聞・雑誌・インターネット広告
●カルシュウム剤
指摘箇所: <文 字>
効能・効果の記載がない。
医薬品区分の記載がない。
見  解: <話 題>
効能・効果を2つ以上記載してください。
〔第2広告者の責務〕
  商品カットの近くに読みやすい大きさで医薬品区分(四角囲み)の表示をお願い致します。
〔広告自主申し合わせ(2)〕
●鼻炎用内服薬
指摘箇所: <文 字>
急性鼻炎、アレルギー性鼻炎などによる諸症状の緩和に
見  解: <話 題>
効能・効果のしばり表現のみの記載となっています。
「鼻水、鼻づまり」など2つ以上の効能・効果を記載してください。
〔基準3(1)〕
●便秘薬
指摘箇所: <文 字>
自然なお通じ
見  解: <話 題>
便秘薬を使用する限りあくまでも「自然なお通じ」とは言えず、「自然に近いお通じ」「自然な感じのお通じ」等が正確な表現です。
〔基準3(1)〕

第214回広告審査会では、以上のほか次の品目が調査になりました。

テレビ広告
●漢方薬
指摘箇所: <音 声>
30を過ぎると脂肪はこんなにしぶといんです。原因は脂質の代謝
<画 面>
脂質の代謝 脂肪がとれたシーン
見  解: <調 査>
30歳を過ぎた方の「脂質の代謝」が著しく低下し、脂肪が急にしぶとくつくことの事実関係を調査・報告してください

第213回広告審査会の調査結果

●ビタミン主薬製剤
指摘箇所: <音 声>
大人のニキビの訳はね。溜まった老廃物なの。
<画 面>
溜まった老廃物
大人のニキビの原因の一つ(古くなった角質、皮脂など)
見  解: <話 題>
ニキビ発生のメカニズムから溜まった老廃物がニキビの原因の一つであることは言えるが、音声でも溜まった老廃物が原因の一つであることを言わないと全ての原因が老廃物と誤認を与えるのでは、と話題になりました。
  〔基準3(1)〕



OTC医薬品TV CM VTR収録リスト
対象期間:2010年1月26日~2010年3月20日

広告主 商品名 秒数
大正製薬 リポビタンD Dでスタートcp P ~3/1 60
大正製薬 リポビタンD Dでスタートcp P ~3/1 90
大和生物研究所 ササヘルス 15
大和生物研究所 ササヘルス 15
グラクソスミスクライン コンタック600プラス 15
ノバルティスファーマ ザジテンAL鼻炎カプセル(点眼薬・スプレー) 15
興和新薬 コルゲンコーワ鼻炎ジェルカプセル 15
佐藤製薬 ストナリニS(ストナリニサット) 15
大正製薬 パブロン鼻炎カプセルS 15
第一三共ヘルスケア エージーノーズモイスト 30
ロート製薬 養潤水 15
ロート製薬 ロートジーb 15
ロート製薬 ロートジーb 15
参天製薬 サンテFX Vプラス(サンテFXネオ) 60
武田薬品 マイティアアイテクトアルピタット 15
トクホン トクホン 30
ロート メンソレータム エクシブ{スプレー・クリーム} 15
久光製薬 ブテナロックV クリーム 15
久光製薬 ブテナロックVエアー爽快パウダー 15
久光製薬 サロンパスA 60
久光製薬 フェイタスローション(クリーム・チック・ゲル) 15
久光製薬 エアーサロンパスDX 60
久光製薬 エアーサロンパスDX 60
久光製薬 フェイタスシップ温感 60
久光製薬 サロンパスEX 60
佐藤製薬 {サロメチール・サロメチールFBパッチ} 15
小林製薬 ニューアンメルツ ヨコヨコA 15
養命酒製造 養命酒 30
エーザイ クリスタルヴェール 60
小林製薬 ビスラットゴールド 15
久光製薬 コレストン 15
フマキラー アレルシャット 花粉鼻でブロック(爽快ミストウォシュ) 15
フマキラー アレルシャット 花粉鼻でブロック(爽快ミストウォシュ) 30
ロート製薬 和漢箋 ロート防風通聖散錠 15
大鵬薬品工業 ハルンケア{内服液・ゼリー} 15
アース製薬 花粉をキャッチ鼻にぬってトール 30
第一三共ヘルスケア {カロヤンアポジカΣプラス} 15
エーザイ エーザイ 30
エーザイ エーザイ 30
エーザイ エーザイ 30
田辺三菱製薬 田辺三菱製薬 30
富士薬品 富士薬品 30
万有製薬 肺炎予防推進プロジェクトに賛同 30
万有製薬 肺炎予防推進プロジェクトに賛同 15
ファイザー ファイザー 30
ファイザー ファイザー 15
ファイザー ファイザー 15
スギ薬局 スギ薬局 30



新聞広告収録明細
期間:2010年1月28日~2010年3月22日
広告主
商品名
媒体名
山崎帝国堂 毒掃丸 朝日新聞
興和 ザガードコーワ整腸錠 読売新聞
アンターク本舗 ネオシーダー 日経新聞
興和 バンテリンコーワ総合 朝日新聞
救心製薬 救心
救心カプセル
救心内服液
日経新聞
エスエス製薬 エスタック鼻炎カプセル12 朝日新聞
興和 新キャベジンコーワS 朝日新聞
ユースキン製薬 ユースキン I 朝日新聞
興和 クリーンラインコーワ三次元マスク
新コルゲンコーワうがいぐすりワンプッシュ
透明レスタミン石鹸
朝日新聞
摩耶堂製薬 金蛇精 読売新聞
ワダカルシウム製薬 ワダカルシュームエース錠 朝日新聞
ロート製薬 アルガード鼻炎内服液Z 朝日新聞
ロート製薬 小青竜湯錠Ⅱ和漢箋
小青竜湯錠和漢箋
読売新聞
興和 コルゲンコーワ鼻炎ジェルカプセル 朝日新聞
わかもと製薬 強力わかもと
わかもとNK胃腸薬
読売新聞
DHC DHCプロテインダイエット 読売新聞
武田薬品工業 アリナミンR 読売新聞

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