連合会の活動

広告審査会について

~ 第188回 広告審査会 ~

日時 平成17年12月19日(月)14:00~16:30
場所 日本大衆薬工業協会会議室
審査委員

(第三者委員)亀井昭宏、佐谷圭一、瀧澤晶子、渡辺 稔
(広告委員会委員)船橋 誠、太田 昭、室 直秀、西井良樹、木下俊也、近見永一、青戸一正(代)       

幹事 高野 修(大正)、近藤 寛(救心)、前廣敬介(三共)
審査対象 テレビ広告    52件
新聞・雑誌広告  53件  合計105件
広告収集期間 平成17年10月6日~平成17年11月22日

PAGE TOP


審査概評 
広告審査会委員  渡辺 稔

第188回広告審査会では、つぎのとおりでした。
審査件数・・・ テレビ広告
新聞・雑誌広告
52件
53件
計 105件
審査結果・・・ テレビ広告

注意・・・ 4件

話題・・・ 6件
  新聞・雑誌広告

注意・・・ 1件
◇     ◇     ◇     ◇     ◇
 年末、鳥インフルエンザの報道が激化していた。この時期、政府の規制がかかっていて薬局にはほとんどタミフルの入荷がない。鳥インフルエンザでなくても、インフルエンザが流行れば流通は解禁するというのだが、不安はつのる一方だ。

今回は10月・11月という柿が赤くなる時期(柿が赤くなると医者が青くなるという諺がある)のTVCMをみているので、いつもより問題が少ない感があった。

1 表現はOTC医薬品的だが、内容が伴わない。
 あるかぜ薬のCMだが、「眠くなる薬がはいっていません」というフレーズがこの広告の中心のように見えた。総合感冒薬でくしゃみ・鼻水などの効能があるならまだしも、その効能を持たないかぜ薬が、主に抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤を連想させる「眠くなる薬」が入っていないことを主眼宣伝するのは理解に苦しむ。
このやり方が拡大すれば鎮痛剤でも胃腸薬でもということもある。入ってないことを明示するのは良いことだが、逆手にとるのも事と次第による。

2 主薬でないものを、広告のメインにするのも考え物だ
 カフェインを朝に飲む方に入れて、夜に飲む方はカフェインレスというのは、良い発想だが、画面から見ると、そのことだけが強調されて、風邪薬という部分はおろそかになっているように見える。多くの風邪薬にはカフェインが入っているが、入っていない方が特にぐっすり眠れる様な印象も画面からは受ける。また、抗ヒスタミン薬が入っていてもカフェインが入っていると昼間もシャキットしているように見えるが、これも実際には個人差があり一概に云えないことである。これもOTC医薬品的な宣伝で悪くはないが、他にやることがないのか、売り手側としても考えてしまうCMだ。

3 菊、効く、聞く
 有名女優のフラメンコと口にくわえた菊の花一輪、なかかな洒落たCMとみたが、最後のナレーションと一言が効き過ぎる。この一言を云いたいための全ての演出だが「きく!」がヘッドラインと取られても仕方がない。巧みだが勇み足というところか。
蛇足だが、天皇家の菊の御紋章も国民の声を聞くにかかっているのだという。真偽のほどは解らないが、広告会社も委員会の意見も聞いて欲しいと思う。

4 修復とは言い得て妙だが
 肌を修復すればカユミもなくなるというもので、これも当然のことと思えるが、愛称のごとく外箱に書かれているのが気にかかる。この手を使うと許可を得ていない薬効を暗示するような「愛称まがい」のものが登場する恐れがある。
理屈的には筋が通っても、その手が蔓延したときにユーザーを混乱させる。ナレーションだけで止めておいて欲しいと思う。


ここのところ、良い作品があまり話題に上らないが、主観的ではあるがオロナインの一連のCMは、癒し感がある。また養命酒にも多くの佳作がある。15秒でも殺人劇の間に放映されるとほっとするCMがある。そのCMが医薬品関連だと私もほっとする。
一時、話題豊富だった「○○家の人々」のCMも、最近は安心して見ていられる。委員会の努力が稔ったのか、制作者側の理解もまた進んだ結果のように思える。

歳が明けて、タミフルの流通が解禁になった(練馬にある私の薬局では)。鳥ならぬ普通のインフルエンザが流行ってきたのか、鳥への警戒心がより高まったのか。メーカーが在庫の調整ができるようになったのか。いずれにしても、鳥インフルエンザが流行らない事を祈る新年である。それにしても、報道の影響は怖い、薬を買いにくるお客様が口々にタミフルという覚えにくい言葉を気軽に使うようになった。TV恐るべしである。
◇     ◇     ◇ ◇     ◇
 
審査結果 
テレビ広告
●総合感冒薬
指摘箇所:

〈音声・画面〉
眠くなる成分は入っていません。

見  解:

〈注 意〉
抗ヒスタミン剤が未配合であるため「眠くなる成分が入っていません」との表現をすることは事実である限り可能ですが、一方、当該広告では効能として「風邪の諸症状の緩和に」と訴えています。生活者は一般的に風邪の諸症状の緩和といった場合には、当然「鼻みず・鼻づまり・くしゃみ」も含まれるものと誤解をする恐れがないでしょうか?眠くなる成分は入っていませんというメリット情報を強調されるのでしたら、生活者が効能効果を誤認をすることがないような配慮を是非お願いします。

〔基準3 (1)〕
●外皮用薬
指摘箇所: 〈画面・音声〉
かゆみ肌修復○○○
見  解: 〈注 意〉
承認を受けた販売名称は○○○GXであり、この表現ですと「かゆみ肌修復○○○」といった名称と誤解を受けるのではないでしょうか?医薬品の場合愛称の使用は認められておりません。ご注意ください。
〔基準1〕
指摘箇所: 〈画面・音声〉
かゆみ肌修復
見  解: 〈注 意〉
かゆみ肌修復」が強調されておりますが、承認効能を超えたものであり、また本来の効能が明確に表現されていないため効能効果に誤解を受けるのではないでしょうか?ご注意ください。
〔第2広告者の責務、基準3(1)〕
●外用鎮痛・消炎薬
指摘箇所: 〈音 声〉
おしゃれな女性のために
女性にぴったりな○○○L
見  解: 〈注 意〉
承認を受けた効能効果・用法用量から「女性用」と判断できないことから、こういった表現はできません。ご注意ください。
〔基準3(1)〕
●外用鎮痛・消炎薬
指摘箇所: 〈画面・音声〉
「効ク!」
見  解: 〈注 意〉
効きめについては、キャッチフレーズなどの強調表現はできません。ご注意ください。
〔基準3(6)〕
新聞・雑誌広告
●ビタミンB1主薬製剤・ビタミンC主薬製剤・胃腸薬
指摘箇所: 〈文 字〉
通信販売から出発した会社として初めて厳しい規制と安全基準をクリア
  〈注 意〉
規制や基準については特に当該メーカーだけがクリアしているものではなく、医薬品製造販売業としては当然のことであり、このような広告表現を行うことはあたかも他社よりも優れているかの誤解を招く恐れがあります。ご注意ください。
〔基準2、3 (6)〕
指摘箇所: 〈文字・写真〉
医師・医学博士・薬剤師など47人が勤務しています。
白衣を着用して並んだ写真
健康食品・医薬品メーカーで、これだけの医療関係の専門家が従事する企業はほとんどないでしょう。
見  解: 〈注 意〉
メーカーに医師などが社員で勤務していることを当該広告のように製品広告に表現しますと、いわゆる医療関係者の推薦にあたります。ご注意ください。また、実際にどれだけの医療関係者が従事しているか等の従業員の勤務状態は場合によっては他社誹謗ともなります。ご注意ください。
〔基準9、10〕
指摘箇所: 〈文 字〉
○○○は顧客満足度、通販会社
N0.1に選ばれました
見  解: 〈注 意〉
何らかのアンケートなどで実際にこのような事実であったとしても、効果や安全性を誤認する恐れがあります。ご注意ください。  
〔基準3(6)〕

第188回広告審査会では、以上のほか次の品目が話題・調査になりましたので、ご参考までにご紹介しておきます。

テレビ広告
●総合感冒薬
指摘箇所: <画面・文字>
効能などテロップのサイズ
見  解: <話 題>
医薬品の広告として情報提供は重要な役割・機能であり、効能・用法用量などのテロップは判読可能なサイズで表現するべきでは?と話題になりました。
〔第2広告者の責務〕
●総合感冒薬
指摘箇所: <音声・画面>
頼れるエース
見  解: <話 題>
名称の一部とは言え「△△のエース」は禁句です。「頼れる○○○エース」と表現するべきでは?と話題になりました。
〔基準3 (7)〕
●鎮咳去痰薬
指摘箇所: <音 声>
「ノドきれい」
見  解: <話 題>
化粧直しをしている横で「大切な身だしなみ」と表現するのは、「きれい」というキャッチコピーとも相まって化粧品的表現では?そして何の薬かわからないのでは?と話題になりました。
〔基準14〕
指摘箇所: 水なしでのめる
見  解: <話 題>
承認された用法用量では「水なしで服用する」となっていることから、水で服用した場合「本来の効果が低下する」と考えられます。とするとこのように強調して表現した場合は「水で飲んでははいけない」旨、表現すべきでは?と話題になりました。
〔基準3 (5)〕
●総合感冒薬
指摘箇所: <画面・音声>
日中はボーッとしないように、夜はグッスリ眠れるように。
見  解: <話 題>
本来の主作用以外の部分が強調されすぎでは?と話題になりました。
〔基準3 (1)〕
●胃腸薬
指摘箇所: <音 声>
胃腸のお手入れしてないの。
外だけ磨いてもねー。
見  解: <話 題>
「お手入れ」「外だけ磨いても・・」というのはエステでの肌のお手入れシーンと相まって、肌と胃腸(便秘)の関係を暗示させているのでは?と話題になりました。「便秘」という効能と「便秘による肌あれ」は違う効能であるという点も話題になりました。
〔基準3 (1)〕
●解熱鎮痛薬
指摘箇所: <音声・文字>
生薬・シャクヤクエキス配合の顆粒が・・
見  解: <話 題>
生薬という文字だけが大きいため、シャクヤクエキス以外の成分も生薬であるかと誤解を受けるのでは?と話題になりました。
〔基準3 (4)〕


OTC医薬品TV CM VTR収録リスト
対象期間:2005年10月6日~2005年11月22日

広告主
商品名
秒数
エスエス製薬 LolanBB 30
大正製薬 ZENAF-Ⅱα(ゼナFO-Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ) 30
武田薬品 アリナミンA 15
武田薬品 アリナミンEXプラス 30
全薬工業 新リコリスゼンヤク(小児用) 15
大正製薬 リポビタンD 30
武田薬品 アリナミンV 15
大鵬薬品工業 チオビタドリンク{・2000・ヘルシー} 15
カイゲン 改源かぜカプセル(改源) 15
グラクソスミスクライン コンタック総合かぜ薬昼・夜タイプ 15
大正製薬 パブロンエース顆粒(錠剤) 30
大正製薬 ヴィックスメディケイテッドドロップ 15
大正製薬 ヴィックスメディケイテッドドロップ 15
武田薬品 ベンザブロック{S・L・IP} 30
龍角散 クララ{N・COOL} 15
龍角散 クララ{N・COOL}(龍角散) 15
ファイザー アネトンi総合感冒カプレット昼・夜タイプ 30
太田胃散 太田胃散A錠剤 15
三共 新三共胃腸薬細粒 15
大正製薬 大正漢方胃腸薬{微粒・錠剤} 30
ゼファーマ ガスター10 15
ゼファーマ ガスター10 15
ゼファーマ ガスター10 15
ゼファーマ ガスター10 15
小林製薬 ハッキリエース 15
ジョンソン&ジョンソン タイレノールA(FD) 15
エイエムオー・ジャパン ブリンクアンドクリーン 15
大正製薬 プリザエース注入軟膏 15
池田模範堂 かゆみ肌修復ムヒソフト 15
小林製薬 ラナケインクリーム 15
大塚製薬工場 オロナインH軟膏 30
大塚製薬工場 ウレパールプラスジェル20(クリーム・ローション) 15
資生堂 フェルゼアDX20ローション(HA20クリーム) 30
久光製薬 サロンパスAモニターcp 60
久光製薬 サロンパスシリーズフェイタス 15
久光製薬 {のびのびサロンシップ冷感・温感・α・サロンシップL} 60
久光製薬 サロンシップL 60
祐徳薬品工業 パスタイムFX 30
祐徳薬品工業 パスタイムFX 60
大鵬薬品工業 ゼノールエクサムSX(ゼノールしっぷ) 90
小林製薬 ユリナール 15
ライオン トメルミン 15
第一製薬 NFカロヤンガッシュ 15
養命酒製造 養命酒 15
養命酒製造 養命酒 15
養命酒製造 養命酒 30
養命酒製造 養命酒 15
養命酒製造 養命酒 60
グラクソスミスクライン グラクソスミスクライン 15
中外製薬 中外製薬 15
バイエル薬品 バイエル薬品 30
アダプトゲン製薬 アダプトゲン製薬 15

新聞広告収録明細
期間:2005年9月・10月
広告主
商品名
媒体名
アイアラクス ノーシン 朝日新聞
イチジク製薬 イチジク浣腸 毎日新聞
エスエス製薬 エスカップBプラスBee 読売新聞
エスエス製薬 エスファイトゴールド 読売新聞
エスエス製薬 エスファイトゴールドDX 読売新聞
エスエス製薬 エスファイトゴールドエース 読売新聞
エスエス製薬 ローランBB 朝日新聞
大杉製薬 モリタイジーン 読売新聞
大杉製薬 モリハイツウ錠 読売新聞
救心製薬 救心 日経新聞
興和 キューピーコーワi 毎日新聞
興和 コルゲンコーワIB透明カプセル 毎日新聞
再春館製薬所 痛散湯 産経新聞
再春館製薬所 痛散湯 日経新聞
三共 リゲイン総合 朝日新聞
三共 新ルルAゴールドカプレット 朝日新聞
  その他・主(薬品・医療用品) 軟膏・皮フ病薬 毎日新聞
大正製薬 リポビタンD 読売新聞
トクホン トクホン 朝日新聞
摩耶堂製薬 金蛇精 読売新聞
山崎帝国堂 毒掃丸総合 読売新聞
ユースキン製薬 ユースキンアイ 読売新聞
ユースキン製薬 ユースキンアイ 読売新聞
ロート製薬 ドライエイド 朝日新聞
アラクス ノーシン 読売新聞
アンターク本舗 ネオシーダー 朝日新聞
イチジク製薬 イチジク浣腸 毎日新聞
エスエス製薬 エスタックイブ 朝日新聞
エスエス製薬 エスタックイブエース 朝日新聞
エスエス製薬 エスファイトゴールド 読売新聞
大杉製薬 モリタイジーン 産経新聞
大杉製薬 モリハイツウ錠 産経新聞
救心製薬 救心 毎日新聞
救心製薬 救心 朝日新聞
救心製薬 救心 毎日新聞
興和 キューピーコーワi 毎日新聞
三共 新ルルAゴールドカプレット 読売新聞
全薬工業 新ジキニン顆粒 読売新聞
全薬工業 新リコリスゼンヤク 読売新聞
全薬工業 新リコリスゼンヤク 読売新聞
全薬工業 新ジキニン顆粒 読売新聞
  その他・主(薬品・医療用品) 軟膏・皮フ病薬 毎日新聞
大正製薬 パブロンSゴールド 朝日新聞
大正製薬 パブロンエース 朝日新聞
大正製薬 プリザエース注入軟膏 朝日新聞
トクホン トクホン 朝日新聞
摩耶堂製薬 雲仙錠 読売新聞
ムサシノ製薬 ケシノールシロップ 読売新聞
山崎帝国堂 毒掃丸総合 朝日新聞
ユースキン製薬 ユースキン 読売新聞
浅田飴 浅田飴 毎日新聞
イチジク製薬 イチジク浣腸 毎日新聞
太田胃散 太田胃散 毎日新聞
カネボウ薬品 葛根湯 毎日新聞
救心製薬 救心 毎日新聞
大幸薬品 正露丸 毎日新聞
トクホン トクホン 毎日新聞
龍角散 龍角散 毎日新聞
わかもと製薬 強力わかもと 毎日新聞
DHC DHCビタチアン他 朝日新聞

PAGE TOP