連合会の活動

広告審査会について

~ 第172回 広告審査会 ~

日時 平成15年4月21日(月) 14:00~17:00
場所 大衆薬工業協会会議室
審査委員

(第三者委員)佐谷圭一、三枝佐枝子、渡辺 稔、亀井昭宏
(広告委員会委員)船橋 誠、太田 昭、長橋幹雄、室 直秀、神田高志、足立保敬、倉本 力、田口隆久、佐藤武文(代) 山口博行 (敬称略・順不同)

幹事 高野 修(大正)、近藤 寛(救心)、前廣敬介(三共)、
片岡英夫(全薬)
審査対象 新聞・雑誌広告  1件
テレビ広告    50件  合計51件
広告収集期間 平成15年1月28日~平成15年4月1月

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審査概評 
広告審査会委員 亀井 昭宏
第172回広告審査会では、つぎのとおりでした。
審査件数・・・ 新聞・雑誌広告
テレビ広告
1件
50件
計 51件
審査結果・・・ テレビ広告

注意・・・ 4件

話題・・・ 2件
  新聞・雑誌広告

注意・・・ 1件
◇     ◇     ◇ ◇     ◇
※ 最近開催の広告審査会では「違反」に該当すると判断されるような事例はほとんどなく、毎回一桁台の件数の「注意」事例と「話題」事例が指摘される程度で、OTC医薬品広告に対する広告主関係者のご努力を大いに評価できると考えています。また、「注意」に該当すると結論付けられた事例に関しても、該当広告主の広告担当者から懇切かつ誠意ある回答が寄せられており、その対応姿勢はOTC医薬品業界の良心と誠意を端的に象徴しているものとして、心からの敬意を表したいと思います。

ただ、毎回の審査会の冒頭で報告される、前回の審査会で「注意」と判断された事例に対する該当広告主からの回答に接するたびに、そのパターン化された内容にいささか唖然とする思いをさせられるのは私だけでしょうか。毎回まとめられる「審査会報告書」をご一読頂ければ、そこに収録されている「注意」該当広告主からの「回答」のほとんどに、「弊社の不注意のため」「事前のチェックが不十分であったため」「担当者が広告表現等の基準を十分に理解していなかったため」等々の、ほとんど同じ文言の弁解の辞が繰り返されていることに気づかれることでしょう。

企業としての人事ローテーションや広告取引の移動等もあり、広告担当者や関係者が常に同一とは限らないことや、人間としての避けられないミスの発生可能性をまったく否定するつもりはありませんが、少なくともそうした事情説明ないし弁解の後に出稿中止等の具体的処置ないし対応を確約されるのであれば、「違反」事例に該当するような判断ミスが二度と生じないようなシステムや手続きの整備に真剣に取り組まれる必要性があるのではないでしょうか。そうでない限り、「今後は社内の確認体制を改善し、注意を払ってまいります」あるいは「次回の広告作成の際には、これまで以上に十分検討いたします」といった回答は、その場限りの言い逃れとまったく変わらない「空手形」に終わってしまっているように感じられてならないからです。

広告委員会ならびに広告審査会の関係者の皆様の真剣なご努力を拝見していると、そうしたご努力を砂上の楼閣に終わらせないためにも、業界広告関係者挙げての具体的な処置ないし対応行動が必要であるように思われてなりません。広告審査会の第三者委員を勤めさせて頂きながら、こうした審査会の活動がまったく不必要になる日の訪れを希求するのはまったく矛盾していると十分に自覚しながらも、あれこれ思いをめぐらせている今日この頃なのです。

前回の第171回広告審査会(2月18日開催)からわずか2ヵ月半くらいしか経過していないのに、この間の中国を中心とする各地域での新型肺炎(重症急性呼吸器症候群、SARS)の蔓延にはただただ驚かされるばかりです。マスコミの報道によれば、4月末現在で世界全体での死者数は372人、可能性を含む感染者は5,663人に達し、さらに増加傾向にあると世界保健機関(WHO)が発表したとあります。また、感染者数が1,440人ともっとも深刻な事態下にある中国・北京市では、一万一千名以上の感染者や感染の疑いのある人々が隔離されているという信じられないような情報も伝えられています。

薬学や医学の知識のないまったくの素人の筆者が迂闊なことは申し上げるべきではないと思いますが、こうした報道に接していると、かって書物で読んだことのある中世ヨーロッパにおいて発生したことがあったという黒死病(ペスト)の蔓延のことが思い起こされます。人口の大半が失われ、人々は罹病を恐れて家から外出しないようにしたため、街や村は死んだような静寂の光景を呈したという話が、科学とりわけ医学・薬学がこれほどまでに進歩した現代において再現されようとは、まったく驚くばかりでしかありません。ただただ一日も早い病気の抑圧と沈静化を祈るのみです。

幸いわが国では明確な感染者や死者も出ていないこともあり、まだ国民の間では切実な問題とはなってはいない感がありますが、3月末から4月上旬にかけて中国の上海・北京両市を経由して韓国ソウル市へ出張予定であった筆者にとっては、行くべきか行かざるべきか大いに悩んだ(結局は中止しました)だけに大きな関心事となっており、後生(!?)への記録のために敢えて言及させて頂いた次第です。

最後に、最近の広告表現傾向に関して一言申し述べさせて頂きたいと思います。 それは「コラボレーション広告」という新しい傾向の表現手法の浮上についてです。「協力、共同あるいは援助」といった意味を持つ「コラボレーション」という用語は、マーケティングの世界でも近年注目を集めており、異業種の企業が共同してそれぞれの商品販売のための戦略構築と展開に取り組むといった形で実現してきています。

最近、広告の世界においても異種の商品の広告訴求において、いわば「相乗り」の形で同一表現の中で共同して登場させるという、これまであまり見られなかったスタイルのものが登場して、一部関係者ならびに消費者の間で話題になっています。

広告表現手法の手詰まり感の蔓延や不況下での広告予算の削減傾向の中で、話題になり消費者の関心を集め易い新しい広告表現作法を模索する中で、先端的な広告制作関係者の間で創出された新しい表現手法の一つと言えるものがこれなのです。ただし、OTC医薬品の広告においてこの手法がどこまで適用可能なのかは筆者自身未だ不明確ですが、医薬部外品の広告においては相当の適用可能性を有しているように思われます。今後こうした種類の広告が登場してくる可能性が大きいと推測されるだけに、今から一定の判断基準を準備すべく考えていくということも必要であるように思われてなりません。

幸いわが国では明確な感染者や死者も出ていないこともあり、まだ国民の間では切実な問題とはなってはいない感がありますが、3月末から4月上旬にかけて中国の上海・北京両市を経由して韓国ソウル市へ出張予定であった筆者にとっては、行くべきか行かざるべきか大いに悩んだ(結局は中止しました)だけに大きな関心事となっており、後世(!?)への記録のために敢えて言及させて頂いた次第です。

最後に、最近の広告表現傾向に関して一言申し述べさせて頂きたいと思います。 それは、「コラボレーション広告」という新しい傾向の表現手法の浮上についてです。「協力、共同あるいは援助」といった意味を持つ「コラボレーション」という用語は、マーケティングの世界でも近年注目を集めており、異業種の企業が共同してそれぞれの商品販売のための戦略構築と展開に取り組むといった形で実現してきています。

最近、広告の世界においても異種の商品の広告訴求において、いわば「相乗り」の形で同一表現の中で共同して登場させるという、これまであまり見られなかったスタイルのものが登場して、一部関係者ならびに消費者の間で話題になっています。

広告表現手法の手詰まり感の蔓延や不況下での広告予算の削減傾向の中で、話題になり消費者の関心を集め易い新しい広告表現作法を模索する中で、先端的な広告制作関係者の間で創出された新しい表現手法の一つと言えるものがこれなのです。ただし、OTC医薬品の広告においてこの手法がどこまで適用可能なのかは筆者自身未だ不明確ですが、医薬部外品の広告においては相当の適用可能性を有しているように思われます。今後こうした種類の広告が登場してくる可能性が大きいと推測されるだけに、今から一定の判断基準を準備すべく考えていくということも必要であるように思われてなりません。

 


審査結果 
テレビ広告
●滋養強壮保健薬(ビタミンB1主薬製剤)
指摘箇所: 〈画 面〉
効能表示のうち「関節痛」だけが他の効能と比較して大きいこと
見  解:

〈注 意〉
効能効果を表現する場合は2つ以上の効能効果を同等の大きさで表現することとなっておりますので、ご注意ください。

〔基準3(1)〕
●ビタミン含有保健剤
指摘箇所: 〈音 声〉
「疲れを取って肌プルルン」
見  解: 〈注 意〉
本製品に認められている効能効果は肉体疲労時の栄養補給、滋養強壮などであり、肌に関わる効能効果は取得されていません。認められた効能効果の範囲内で広告してくださるようご注意ください。
〔基準3(1)、(9)〕
●外皮用薬(にきび治療薬)
指摘箇所:

〈画 面〉
ひどかったニキビが翌日すっかりキレイに治っているシーン

見  解: 〈注 意〉
使用前・使用後を表現する事については広告全体から判断すべきではありますが本広告のニキビの治り具合については禁句とされる「すっかりとっちゃう」と同様、いささか保証的ではないでしょうか?ご注意ください。
〔基準3(6)〕
●外皮用薬(水虫・たむし用薬)
指摘箇所:

〈画面・文字〉
病院で・・
【新聞広告】
〈字 句〉
あの、効く成分・・病院で使われている○○○

見  解: 〈注 意〉
スイッチOTC成分の広告表現については、事実を正確に表現することは強調表現でない限り差し支えないとされておりますが、本広告については文章全体と文字サイズなどにおいて、いささか強調表現ではないでしょうか? 「またスイッチOTCだから効く」とは表現していないまでも、全体としてそのように受け取られる表現ではないでしょうか? ご注意ください。
〔基準3(4)、(6)〕
指摘箇所:

〈画面・文字〉
あなたが使う、最後の水虫薬となるために。
【新聞広告】
〈字 句〉
最後の水虫薬

見  解: 〈注 意〉
最後の水虫薬と断定してはおりませんが、最後の~と言う表現は「これを使えば完治する」かのような誤認を与えかねず、いささか保証的・他社誹謗的ではないでしょうか? ご注意ください。
〔基準3(6)〕

〔話題〕第172回広告審査会では、以上のほか次の品目が話題になりましたので、ご参考までにご紹介しておきます。

テレビ広告
●滋養強壮保健薬(ビタミンB1主薬製剤)
指摘箇所: <音 声>
「キチンと飲んでいるとクッション成分がすこしづつ増えてきて・・」
〈文字スーパー〉
クッション成分を増やす
見  解: (話 題)
本剤の服用によって、あたかも軟骨が増加するような表現はいささか行き過ぎではと話題になりました。
〔基準3(1)、(9)〕
●ビタミン含有保健剤)
指摘箇所: <画面・音声>
効能効果の表現がないこと
見  解: <話 題>
効能効果は明瞭に表示すべきでは?と話題になりました。
〔第2(広告者の責務)〕
指摘箇所: <音 声>
ドリンク剤といえば・・
見  解: <話 題>
「~といえば」は禁句です。
〔基準3(6)、基準9〕
指摘箇所: <音 声>
しかもカロリー控えめです。
見  解: <話 題>
カロリー表現については栄養改善法における指針などを根拠として正確に表現すべきでは?と話題になりました。 また比較する場合には自社内で行っていただくようお願いします。
〔基準3(6)、基準9〕
●精神神経用薬(解熱鎮痛薬)
指摘箇所: <画 面>
「頭痛?」と言って鎮痛剤を差し出す場面
見  解: <話 題>
頭痛には原因も症状も様々であり、場合によっては重篤な疾病を原因とする場合もありますので、鎮痛剤を渡す前に症状を聞いてみるなどの配慮も必要なのではないでしょうか?と話題になりました。
〔基準3(5)〕
●循環器官用薬(強心薬)
指摘箇所: <画 面>
ストレスや残業で、ボーッと・・
更年期かしら、夜中にドキドキして・・
見  解: <話 題>
症状をあらわす場面としては理解できますが、ストレスや更年期という字句をスーパーで表現しますと、本来の効能効果に誤解を生ずるのでは? と話題になりました。
〔基準3(1)〕
新聞広告収録明細
平成15年2月
広告主
商品名  媒体名
久光製薬
ブテナロック 日経新聞

TV広告収録明細

対象期間:2003年1月28日~2003年4月1日(新素材CMのみ)

広告主
商品名
秒数
エスエス製薬  ハイチオールC
15
小林製薬  アンメルシンコンドロパワー錠
15
エスエス製薬  エスカップ
15
三共  リゲインⅡ{-・J}
15
大正製薬  リポビタンD
15
中外製薬  グロンサンG
15
ゼリア新薬工業  ローヤルゼリー{ももの味・りんご味}
30
明治製菓  ビエンドクールタブ(クールスプレー)
15
興和新薬  コルゲンコーワ鼻炎ソフトミニカプセル
15
佐藤製薬  ストナリニ(ストナリニサット)
15
全薬工業  ジキニン鼻炎AG顆粒
30
大正製薬  パブロン点鼻S
15
藤沢薬品  エージーノーズ
15
ファイザー製薬  アネトンi総合感冒錠P~2/6
60
太田胃散  太田胃散A 錠剤{-・-}
30
大鵬薬品工業  ソルマック胃腸液{-・S}
15
ロート製薬  パンシロン01(G・トリム・ワンショット)
15
ライオン  バファリンA 40th
30
ライオン  バファリンプラス(カプセル)
30
藤沢薬品  エージーアイズ
15
ライオン  スマイル40EX
15
エスエス製薬  アトランエース{液・クリーム}
15
金冠堂  キンカン(キンカン虫よけスプレーパウダー入り)
30
小林製薬  ラナケインS
15
小林製薬  ビフナイトE
15
佐藤製薬  ラマストンMX{液・クリーム}
15
大正製薬  ダマリン{パウダースプレー・アイススプレー}
15
大正製薬  ダマリンエース(ダマリンL)
15
久光製薬  ブテナロック
15
久光製薬  のびのびサロンシップ{-・α・温感}
60
山之内製薬  マキロン{-・-}
15
ロート製薬  メンソレータム フットリフレアエクシブ100スプレー
15
救心製薬  救心(カプセル・内服液)
15
救心製薬  救心(カプセル・内服液)
15
救心製薬  救心(カプセル・内服液)
15
小林製薬  プレガンWビタミン
15
大正製薬  リアップ
15
大鵬薬品工業  ハルンケア内服液
30
第一製薬  カロヤン21ジェット
15
第一製薬  カロヤンリセッタ
60
第一製薬  カロヤンリセッタ
15
養命酒製造  養命酒
30
養命酒製造  養命酒
30
養命酒製造  養命酒
30
養命酒製造  養命酒
30
養命酒製造  養命酒
30
ロート製薬  Cキューブビタフラッシュ
15
小野薬品  小野薬品工業
30
杏林製薬  キョーリン製薬
15
ツムラ  ツムラ110年
30

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